劇団民藝代表の女優・奈良岡朋子(ならおか・ともこ)さん(本名同じ)が23日午後10時50分、肺炎のため東京都内の病院で亡くなった。29日、同劇団が発表した。93歳。

奈良岡さんが出演した1960年(昭35)の映画「すべてが狂ってる」(鈴木清順監督)で母と娘を演じて以来、奈良岡さんを芸能界の“お母さん”と慕うなど親交が深かった、吉永小百合(78)が、追悼のコメントを発表した。

「15才の時、初めて奈良岡さんの娘役をやらせて頂いて以来、仕事のこともプライベートなことも何でも相談できる、かけがえのないお母さんでした。今回の映画で寺尾聰さんと共演することを知らせたくてお手紙したけれど、ご返事がなくて不安に思っていました。感謝の思いでいっぱいです。長い間、本当にありがとうございました。吉永小百合」

奈良岡さんは、2014年(平26)12月3日にテレビ朝日系「徹子の部屋」に出演した際、吉永が岡田太郎氏と1973年(昭48)に結婚した際、証人も務めるなどして、親交を深めてきたと明かしていた。

吉永は、自身123本目の出演映画となる主演作「こんにちは、母さん」(山田洋次監督、9月1日公開)で、劇団民藝の創立メンバー宇野重吉さんの長男・寺尾聰(75)と共演が決まっている。寺尾と奈良岡さんも、1986年(昭61)の日本テレビ系ドラマ「太陽にほえろ! PART2」で、七曲署捜査一係の上司と部下役で共演するなど縁が深い。吉永は寺尾との共演を伝える手紙を送ったものの返事がなかったことを明かしつつ、奈良岡さんへの感謝の思いをつづった。