横浜流星(26)が1日、主演映画「ヴィレッジ」(藤井道人監督)公開御礼舞台あいさつで、格闘シーンの際、パンチを当てられても「首で避けるんで」と元キックボクサーの俳優・一ノ瀬ワタル(37)に言っていたとの衝撃エピソードが、一ノ瀬の口から明かされた。一ノ瀬は「パンチを首で避ける俳優、初めて会った」と脱帽した。

横浜は劇中で、幼い頃より霞門村に住みながら、父親がこの村で起こした事件の汚名を背負い、その罪を肩代わりするようにして生きてきた優、一ノ瀬は村長である父大橋修作(古田新太)の権力をかさにかけ、村で好き勝手に振る舞う透を演じた。透は、村のごみ処理施設でも、働く優をはじめ職員に暴力をふるい、いじめる役どころだ。

劇中では、黒木華(33)が演じた優恋人の美咲を、透が無理やり奪おうと迫り、守ろうとした優が戦うシーンがある。横浜は、まず一ノ瀬との共演について「やられるシーンしかなかったですね。普段の一ノ瀬さんは、すごくキュートですけど(演じる時は)透として見ているので怖かった」と振り返った。戦うシーンについては「一番、物語としても優としても大事で、分岐点となる対決のシーンは、一方的にやられるんですけど…あのシーンは大変。集中力が、とても大事で勝てないんですけど、大事な人が出来たので守る一心で立ち向かわなければいけない。シビれましたね」と振り返った。さらに「相談しながら撮れたので良かった。撮り終わった時、達成感がありましたよね。一ノ瀬さんとだから、迫力のあるシーンになったんだろうなぁと」と、一ノ瀬に感謝した。

一ノ瀬は「俺も、ほとんど出演した作品の中では、アクションを、いっぱいやってきましたけど、やっぱ、横浜さん、すげぇなと思って。パンチやビンタとか、当てないんですよ。でも、角度的にどうしても当てなきゃいけなかったりで、当てるところがあったんですけど」と切り出した。そして「横浜さんは『大丈夫ですよ。俺、当たった瞬間に首で(を振ってパンチの勢いを殺して)避けるんで』と言った。昔、俺、キックボクシングをやっていたから分かるんですけど、当たったパンチを首で避けるって結構、長年、培った技術。それを、やられる俳優さんに、俺は初めて出会った」と熱く語った。さらに「本気で当ててるつもりですけど、すかされる。映像を見てると、すごかった」と続けた。

横浜は、11年の極真空手第7回国際青少年空手道選手権大会13・14歳男子55キロの部優勝の経歴を持ち、20年の主演映画「きみの瞳が問いかけている」でキックボクサーを演じた際も、一からキックボクシングを学んだ“プロ”だ。それだけに「すごい撮影でしたよ。でも、ここで、ちゅうちょされても困るので、本気でやってもらいたいので受け止めようと思った」と、サラッと言い切った

横浜演じる優とともに借金返済のため優とともに、ごみ処理施設で働く龍太を演じた、奥平大兼(19)も空手経験者だが「流星君には勝てないっすよ」と脱帽。一ノ瀬も「胸ぐらをつかんだ時…一方的にやってるけど、この人、体幹、強えぇと思った」と、体を合わせての横浜の強さを、改めて強調していた。