明治座は19日、「市川猿之助奮闘歌舞伎公演」の代役について発表した。昼の部「不死鳥よ 波濤を越えて-平家物語異聞-」は20日から市川團子(だんこ=19)が主演の平知盛をつとめる。

團子は市川中車(香川照之)の長男で、祖父は市川猿翁(3代目猿之助)。「不死鳥よ-」は猿翁が79年に初演した作品で、團子にとっても深い縁がある。平家の武将、平知盛が、壇ノ浦の戦いを生き延び大陸に渡ったという壮大な物語。歌舞伎にレビューが融合し、歌や宙乗りの演出もある。演出の変更は特にないという。稽古は19日の昼に行われた。團子はわずか1日の稽古で大役に挑むことになる。

決定の経緯について関係者は「制作の判断です」とだけ話したが、かねて猿之助は團子に目をかけ、共演もしてきた。役者としての團子の成長は著しく、立役、女形両方で活躍している。

今月は夜の部「御贔屓繋馬」で女形をつとめており、昼夜ともに出演することになった。團子は、公演に際し「猿之助さんのお役を間近で見られることが楽しみ。先輩方に負けないよう、必死で食らいついていきたい」などと意気込みを語っていた。