未来のタカラジェンヌが21日、本拠地の兵庫・宝塚大劇場前の敷地内で、コロナ禍中止をはさみ、約4年ぶりの「すみれ募金」活動を行った。宝塚音楽学校の本科110期生、予科111期生がこの日、小児がんをはじめとした医療的ケアが必要な子供や家族の支援を呼びかけ、劇場関係者によると、ファン約2000人が集まった。

募金活動は、毎年5月の音楽学校恒例行事だが、コロナ禍にあって、19年を最後に中止が続いていた。例年、4月に入学した予科生にとっては初めて人前に立つ場だが、今回は2年目の本科生も初めてファンとふれあう形となった。

音楽学校を卒業した者しか立てない夢の聖地。その大劇場ロビー前の大広間を使い、学びの途上の生徒たちは、4カ所に別れて募金協力へ声をあげた。

今年は暑さや安全管理のため、場所を屋外から屋内へ移して開催。例年だと2ショット撮影などにも応じているが、今年は久々の開催とあって、取りやめられた。

大広間にファンがあふれ返り、未来のスターの声に応じて、募金の行列を作ったが、自主的な統制、秩序で知られる宝塚ファンらしく、大きな混乱はなし。整然と列を作り、初めて見る“金の卵”たちに「頑張って」などとねぎらう姿が多く見られた。

活動を終え、本科110期生代表の工藤すず奈さん(西東京市)、溝口薫子さん(東京都中央区)、御子柴凛々子さん(東京都文京区)、田良結芽さん(山口市)が取材対応。

男役志望で身長172センチの工藤さんは「あこがれの行事のひとつで、すみれ募金に参加することができ、光栄に思う気持ちと、たいへん感謝しております」と笑顔で振り返った。

この日集まった134万2252円は、病気の子供やその家族をサポートすべく、「公益財団法人チャイルド・ケモ・サポート基金」に寄付される。