英王室のチャールズ国王(74)が、地球環境保全と節約のためにバッキンガム宮殿にある温水プールの水温を下げていることが分かった。英サンデー・タイムズ紙に関係者が語ったもので、国王が即位後にプールを利用した何人かは「以前より水がかなり冷たくなっていることに気がついている」と伝えている。

皇太子時代から環境活動に取り組んできた国王は、ぜいたくは「環境に不健全」との考えを持っており、水に化学物質が含まれ、水温を保つために加熱する必要があるプールは自身の運動習慣や世界観にそぐわないと考えているのではないかと、関係者は述べている。

バッキンガム宮殿のプールは、1938年に国王ジョージ6世によって水泳レッスンを受けていたエリザベス女王と妹マーガレット王女のために建設されたもので、国王や弟たちも子供時代にこのプールで泳ぎを覚えたと言われている。また、ダイアナ元妃もよくプライベートで利用しており、ウィリアム皇太子とヘンリー王子もこのプールで泳ぎを習ったという。王室上級メンバーのためのプールだが、宮殿スタッフもロイヤルファミリーが使っていない時には利用しても良いことになっているという。 環境保護活動でもあるチャールズ国王は、ロンドンの自宅クラレンス・ハウスの屋根に太陽光パネルを設置し、宮殿内の照明をこまめに消し、週に1度は完全菜食主義の食事をするなど徹底した環境保護に取り組んでいることで知られ、2050年までに政府の目標である二酸化炭素排出実質ゼロの達成を熱望している言われている。同紙によると、王室助成金を通じて昨年支払った宮殿の公共料金は、320万ポンドだったという。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)