結成16年以上の漫才師で争うフジテレビ系「THE SECOND~漫才トーナメント~」を取材する機会に恵まれた。

133組が出場した第1回大会は、ギャロップが頂点に立った。大会終了後、真っ先に取材を申し込んだのが、5人組お笑いグループの超新塾だった。グランプリファイナル初戦で囲碁将棋に敗れるも、大会アンバサダーを務めた松本人志(59)から「笑いの量的には点数ほどの差はなかった。超新塾はこれから仕事、結構増えるんじゃないですか」とコメントされるほどだった。大きなインパクトを残した超新塾に対して、大会後に聞かなければならない質問が1つあった。

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5月9日に行われたグランプリファイナルの組み合わせ抽選会。さっそうと5人で登場した超新塾のタイガー福田(47)は「(年長者が多い)『THE SECOND』だから、楽屋とか喫煙所とかでは糖尿の話とか、おっさんの話ばっかりなんですよ」と切り出した。イーグル溝神(47)からは「この大会が始まったと同時に彼(タイガー)、糖尿になったんですよ。今日もケータリング食べる前にインスリン打って」と暴露された。

サンキュー安富(48)からは「勝ち上がるたびに尿酸値が上がっている」と言われた。この日の司会を務めた銀シャリの橋本直(42)から「当日大丈夫ですよね?」と聞かれると、タイガー福田は「しっかり(インスリン)打っていきます」と宣言し、会場は笑いに包まれた。

そこで終わらないのが、新聞記者だ。筆者の脳内は「タイガー福田さんの糖尿病が気になる」というシグナルで満たされていた。公の場で病気について質問するという常識外の振る舞いと、病状を深く知ってみたいという興味が戦って、最後は結果的に後者が勝った。その後の質疑応答で、スルスルと無意識に左腕が伸びていた。最初に指名されると、「日刊スポーツです」と名乗り、「タイガー福田さんにお伺いします。糖尿病の具合はどうでしょうか?」と吸い込まれるように質問していた。

不意を突かれたタイガー福田は「それ、気になります?」と驚きつつも「重症だと聞いてます」とコメント。すかさずイーグル溝神から「軽いやつです」とツッコミが入り、ボケだと判明した。タイガー福田は「お医者さんからは、よくなるだろうという診断を受けています」と真剣に答えた。

このやりとりが大会YouTubeチャンネルで生配信されていた。同時間帯のチャットをのぞくと「日刊スポーツwww」「おいおいww」「糖尿病深掘り」「ガチ心配w インスリンだしな」とザワつかせてしまっていた。

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大会後の超新塾の取材。松本人志の「仕事増える」発言や大会舞台裏についてたっぷり聞いて、取材時間は残りわずか。最後の最後で温めていた質問をぶつけるときが来た。タイガー福田に向かって「糖尿病大丈夫でしたか?」とついに発射した。間髪入れずにタイガー福田から「もうええわ!」とプロのツッコミを浴びることになった。そして「グランプリファイナル行く前に病院行って。インスリン卒業しまして。今は何も打ってないです。ヘモグロビンもちゃんと下がって。通常営業モードです。食事には気を付けなきゃいけないけど」と回復したことを告白された。

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安心しました。お笑い芸人も新聞記者も身体が資本。41歳の記者にも、身に染みました。お互い健康体でやっていきましょう!【高橋洋平】