阪急阪神ホールディングス(HD)株式会社の「第185回 定時株主総会」が16日、大阪市内で行われ、エンターテインメント事業のひとつ、宝塚歌劇団で、新型コロナウイルスの5類移行後も休演が相次いでいることについて、株主から意見と要望が噴出した。

同劇団では6月に入って、兵庫・宝塚大劇場での星組公演、東京・東急シアターオーブでの月組公演などで、「複数の公演関係者の体調不良」により、休演が相次いでいる。

これを受け「今日は宝塚歌劇の観劇に行く予定だった」という女性株主から「代役を使っての公演とかはできないのか」などと質問が出た。

これに、角和夫CEOは「3分の1を超える生徒が罹患(りかん)した。代役公演ができる状況であれば積極的に(したい。だが)。残念ながら今回はかなり大量。申し訳ないことになった」と説明した。

スターシステムの宝塚歌劇では、それぞれに代役が決まっているが、体調不良者が大勢になれば、それも機能しないのは必然。その現状を理解してもらうように求めた。

今回、星組公演は、開幕直前に体調不良者が複数出たために、初日の開演時間を遅らせて上演したが、幕が開いたのは初日のみ。翌3日以降は中止となり、やっと18日夕公演分からの再開が決まった。ただし、22日に予定されていた新人公演は、公演準備が間に合わず、中止となった。

これらの背景があって、男性株主からは「宝塚のファンはみんな優しい。タイガースファンよりもずっと優しい。大半のことは受け入れてくれる」との指摘もあがった。

これに、角CEは「もう少し、公演を中止する以上は、チケットを買ったお客さまが納得できるよう改善したい」などと、代役公演の積極利用も含めて、次善策を探っている考えを明かした。