モーニング娘。やAKB48らを育てた、振付師でダンサーの夏まゆみさんが先月21日、がんのため61歳で死去した。

夏さんは05年12月の劇場オープンから、公演などの振り付けを担当し、グループに“アイドル道”をたたきこんだ。指導を受けたメンバーは、続々とSNSで夏さんを悼んだ。

1期生の高橋みなみ(32)は「右も左もわからない私達AKB48一期生に、アイドルとは何か、ステージに立つとはどういうことなのか、その一つ一つを教えてくださったのは夏先生でした。『わからないは良いけど、できないは言わないで。それでは成長できないよ』。時に厳しく時に優しく、メンバーだけでなくスタッフに対しても様々な言葉をかけてくださいました」と振り返り「冷静丁寧正確に。これからも夏先生に教えてもらったことを忘れずに一つ一つのお仕事に向き合っていきたいと思います」と悼んだ。

同じく1期生の小嶋陽菜(35)は「私がAKB48のオーディションを受けようと思ったのは夏先生が携わっている事が大きな理由でした。夏先生の振付を真似して踊っていた私が、先生の振付で自分達の曲で踊れたこと。私やAKB48の夢を一緒に叶えてくれた先生には感謝しかありません。アイドルとしてプロとしてステージに立つことの全てを夏先生に教えていただきました。レッスンはとても厳しかったけど、今どんなことも頑張れているのはあの頃があったからです」。峯岸みなみ(30)も「AKB48の活動が思うようにいかず自信を失いかけていた時、『峯岸はダンスの才能がある』と声をかけてくれたことがそれまで生きてきた中でも一番に嬉しい出来事で、夏先生のその言葉があったから私は今もこの世界で頑張ることができています。ずっとずっと忘れません」とつづった。

2期生の宮澤佐江(32)もツイッターで「恵まれた環境にいることを忘れるなよと、お金を払って観にきてくださる人たちがいることに感謝しなさいと、君たちはもう今日からプロなんだよと、何も知らない私たちにエンターテインメントの基礎を厳しさと大きな愛で丁寧に教えてくださいました」と回想した。

13年のコンサート「リクエストアワー」では、当時SNH48への移籍が決まっていた宮澤のセンター曲が2位にランクインし、夏さんが会場にサプライズで登場。「頑張って行ってこい!」と激励し、涙を流して恩師に抱きつくシーンや、夏さんがメンバーに「自分の中に眠る底力」について語る場面は、ファンの間でも語り草になっている。

宮澤は「歌詞に沿った、音楽に沿った振り付け1つ1つに魂と意味が込められていて、夏先生に付けていただいた振付だけは今も忘れることなく、私たちの身体に染み込んでいます、天職だった、自分のアイドル人生が夏先生から教わったものとして、今後の人生にも大きく残り続けてくれることが誇りです」と悼んだ。

3期生の柏木由紀(31)は「秋葉原の劇場のステージは片足で登れるくらいの高さだけれど、この高さを登るってことがアイドルになる、プロになるってことなんだよ、と公演初日前に夏先生が涙ながらに教えてくださいました。私はその言葉で、覚悟を決めてこのお仕事に自分の全力を注ごうと心に誓いました。紅白歌合戦の際に久しぶりにお会いしたとき、『柏木よく頑張ってるなー!』と一言笑顔で声をかけてくださり、本当に嬉しかったのを今でも鮮明に覚えています」。多田愛佳(28)は「好きなメンバーはいますか? その人に勝てると思いますか? とオーディションの時のこと今でも覚えてます。青ガ公演のユニットMCでハケる時に『多田、ウッキーって言ってハケて』と冗談混じりに見せ場を作ってくれたこと感謝しております」。田名部生来(30)も「目からビーム 手からパワー 毛穴からオーラ ずっと心に刻んでます。ありがとうございました」。

4期生の倉持明日香(33)は「アイドルってすごいんだよ! 何度もおっしゃっていたその言葉が、今でも鮮明に残っています。ステージに立つことがゴールではなく、どう表現し何を伝えたいのか、右も左も分からない世界で多くのご指導をいただきました。夏先生、ありがとうございました」とそれぞれ感謝をつづった。

夏さんの訃報は6日、遺作となった3月発売の著書「人はいつでも、誰だって『エース』になれる!心とからだが輝く72の言葉」を出版したビジネス社が公表。遺族の意向で、葬儀は近親者ですでに執り行われており、8月下旬に都内でお別れの会を開催する予定。