肺がんで闘病中だったロックバンド「頭脳警察」のボーカルPANTA(パンタ、本名中村治雄=なかむら・はるお)さんが7日午前10時44分、東京・清瀬市内の病院で死去した。73歳だった。埼玉県出身。葬儀・告別式は家族葬で行い、後日お別れの会を開く予定。

この日、同バンドの公式ツイッターで「PANTA(本名・中村治雄)は2023年7月7日、10時44分、肺癌による呼吸不全と心不全のため、永眠いたしました。享年73歳」と報告。「この数年、闘病の日々でした。闘病の中もROCK魂を貫き、最後の時まで現役の『ROCK屋』としての人生を全ういたしました。6月14日のライブが最後のステージとなりました」と記した。

続くツイートで「多くのファン、友人知人、家族に支えられて、人生を全うすることが出来ました事をここに心よりお礼申し上げます」と感謝。「みなさまには生前のご厚誼に深く感謝するとともに、ここに謹んでお知らせいたします。なお、葬儀は、近親者のみの家族葬で執り行われ、後日、お別れ会を執り行う予定です」とした。

PANTAさんは21年に肺疾患のため一時活動休止を発表。病名は公表せずに長期療養を続けていたが、今年2月1日に体調の急変により緊急搬送され入院し、重症の肺炎と診断されたと公式サイトで発表。また、15、6年前に前立腺がんの疑いで極微細ながんの種のようなものが見つかり摘出したことや、肺がんと診断されていたことを公表していた。4月14日に退院し、自宅療養とリハビリを続けながら6月にはライブ復帰も果たしていた。

PANTAさんは1969年、ドラマー石塚俊明らと「頭脳警察」を結成。「世界革命戦争宣言」「銃をとれ」などで人気を集めるなど、日本のロック黎明(れいめい)期から活躍した。75年に解散後も、ソロ活動も行い。荻野目洋子や、チェッカーズらに楽曲を提供していた。