元テレビ朝日の玉川徹氏が12日、同局「羽鳥慎一モーニングショー」に出演し、中国が日本産水産物を全面禁輸したことによる水産業への被害について「東京電力が賠償する責任がある」と語った。

番組では、福島第一原発の処理水の海洋放出に反発する中国が日本産水産物の輸入を停止する中、大きな打撃を受けている水産業の現状を伝えた。

玉川氏は「原発の事故がもともとあって、一義的な責任は政府と東京電力にあるわけで、中国の政府がああいう態度をとったことで出る被害というのは、やっぱり東京電力が賠償するというのは法的にもそういう仕組みになっている。一義的にそっちに責任があるんだということは忘れてはならない」とした。

また、対中感情の悪化により日本国内でナショナリズムが高まることにも憂慮した。「過剰にナショナリズムが高まると、国民にとって利益がないというのは、われわれが戦争の経験から十分学んでいること」と指摘した。

中国国内での“日本人お断り”の動きや悪質な嫌がらせ電話についても「中国の中を見ても、愛国心だと言っている人もいれば、やる必要ないじゃないかという理性的で冷静な考えを持っている人もいる。ここは日本人も見るべき。日本人がナショナリズムをあおられても何もいいことがない。決してあおられてはいけない。冷静にいくべき」と訴えた。