オリックスがリーグ3連覇を決めた。昨季までの2年は最終盤までもつれる大接戦だったが、今季は一転し、圧倒的な強さでV3。熱烈オリ党の「なにわ男子」藤原丈一郎(27)は、初めて「優勝マジック」点灯からのカウントダウンも堪能した。本拠地開幕戦の始球式で着用した特製ユニホーム、グローブを手に歓喜した。(取材・構成=村上久美子)

     ◇     ◇     ◇  

今季は優勝マジックのカウントダウンも満喫した。

「僕自身もマジックボードを自分で作って、日めくりカレンダーみたいに数字を減らしていって、3連覇ですけど、マジック初心者だったんで、去年までとは違う喜びがありました」

オリックスが25年ぶりVを遂げた21年にCDデビュー。今年は「なにわ男子」が24時間テレビでメインパーソナリティーを務め、その放送初日に「マジック24」が点灯した。

「オリックスとの縁、巡り合わせがすごいなって思う。マジック24ですよ」

今季は仕事にも恵まれ、現地観戦は5試合のみだが、4勝1敗。自身のコンサート会場でも、ユニホーム姿のファンも増えた。

「客席のファンの子がオリックスのユニホーム着てたり、または、京セラ(ドーム)行く電車とか、山本由伸投手のユニホーム着てる子もたくさんいて、もう泣きそうになりました。リーグ優勝する前、3年前、4年前はあり得なかった」

中嶋聡監督が導いた3連覇。「中嶋イリュージョン」。ファン層拡大も実感する。今年は、主軸の吉田正尚外野手がメジャー移籍。WBC組の疲労などを考慮し、開幕戦の先発はプロ初登板初先発の山下舜平大投手が務め、勝利に貢献した。

「ファンも驚きましたよ。開幕戦、すごい大事な試合で! そこから、新人王確実と言われるぐらい成績も残して、もう今となっては欠かせない存在」

強固な先発陣にフレッシュなカードが加わった。藤原は、今季Vの鍵は「開幕戦でした」と振り返る。

「でも、吉田選手がいないというのは、正直不安でした。でも、FAで森友哉選手が入ってきてくれて、頓宮選手が活躍したり、新しい選手がいっぱい出てきた。去年までとはまた違った選手層だなって」

選手の調子を見極めて、多彩なオーダーを組む中嶋監督の采配には「オーダーを見て、僕らも楽しいですよ」。投手陣のやりくりにも「延長戦で山岡投手とか、友達に『せこい』と言われました(笑い)」。抑えも「平野さんか山崎颯一郎選手か。登場曲かかって、お!ってなる」。

藤原流MVPを聞けば、頭を抱えて悩み出した。

「ほんと難しいっすよね。由伸投手も、宮城投手も年々、期待値上がってますからね。そこはやっぱり、山下舜平大投手ですかね。舜平太投手がいたから、カード負け越し、連敗も少なかった。脅威ですよね」

投手MVPは山下、野手MVPは頓宮裕真捕手だ。

「FAで来てくれた森友哉選手も…ですが、頓宮選手! 打率もいいですが、捕手登録なので、送球の安心感とか、守備の貢献度も高いですよ。捕手登録が多いのも珍しいですよ」

投手に山下、野手で頓宮を“僕のMVP”にあげた。

◆藤原丈一郎(ふじわら・じょういちろう)1996年(平8)2月8日、大阪府生まれ。04年2月ジャニーズ事務所入り。18年結成「なにわ男子」メンバー。21年11月「初心LOVE」でCDデビュー。オリックス公式ファンクラブ会員で、高校野球にも精通。愛称「丈」「丈くん」。168センチ。血液型B。