9月30日に現役団員が兵庫県宝塚市内の自宅マンション敷地内で、転落死しているのが見つかった件で、劇団の木場健之理事長が7日、取材に応じ、生徒名については伏せたが、現在、宝塚大劇場での上演を取りやめている宙組メンバーであることは認めた。

冒頭、木場理事長は「このたびの生徒の急逝につきまして、謹んで心より哀悼の意を表します」とし、「大切な仲間の命が失われ、極めて厳粛に受け止め、無念でなりません」と続けた。

その上で、外部の弁護士らが中心となった調査チームの立ち上げと、宙組を中心にしたヒアリングも始めているとした。

宝塚署などによると、団員は自殺の可能性があるとみられ、「なぜこういうことになったのか」とも吐露。「夢と希望をもって、日々公演に打ち込んでいた生徒が、あまりにも無念でなりません」と悔やんだ。

今年2月の週刊誌報道との因果関係を含め、原因究明は調査チームの報告を待ち「しかるべき時期」に発表する意向だ。

2月の週刊誌報道では、亡くなった団員が宙組の上級生からヘアアイロンを押しつけられやけどを負ったと伝えられたが、これについて、劇団は、当事者を聴取し「上級生が下級生に髪形のアドバイスをする際、誤ってヘアアイロンが当たった。故意ではないと明言を受けていた」とし、いじめの認識には至らなかったと説明した。

また、8日までの上演を取りやめている宝塚大劇場での宙組公演については、中止期間を22日まで延長すると発表。調査チームの調べとの関係もあるが、「生徒の安全、安心を第一に」再開時期を探る。

今公演には、主人公が転落する場面なども描かれており、演出については「変更を検討している」とも明かした。