パレスチナ人の父を持つ人気モデルのジジ・ハディッド(28)と家族が、パレスチナ支持を巡って殺害予告を受けていることが分かった。米オンラインメディアTMZが伝えている。7日にパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスがイスラエルをテロ攻撃したことを受け、ハディッドがSNSに投稿した「パレスチナ支援が反ユダヤ主義やハマス支援だと誤解されている」との投稿を巡り、イスラエル政府がハディッドを名指しで「この1週間寝ていたの?」と公式SNSアカウントで非難していた。

報道によると、共にモデルとして活躍する妹のベラ(27)、弟で歌手のアンウォー(24)に加え、両親の元にも殺害予告が届いているという。家族の事情を知る人物によると、メールやSNS、さらに個々の携帯電話など複数の媒体を通じて脅迫が届いているという。この1週間で家族の何人かの携帯電話番号がネットに流出し、個人情報がさらされたことで、イスラエルを支持する人々から無作為に誹謗(ひぼう)中傷が届くようになり、中には殺害を予告するものもあると伝えている。そのため、家族全員が携帯電話の番号を変更することを余儀なくされ、状況は非常に悪化しているため、安全面を懸念した家長である父モハメド氏は米連保捜査局(FBI)に相談することを検討しているという。

姉妹は共にパレスチナ解放運動を支援していることで知られるが、現時点までベラはこの問題についてコメントは出していない。一方のジジは、「私の思いは、この不当な悲劇に影響を受けているすべての人々と、日々の紛争で奪われる罪のない命と共にあり、その多くは子どもたちです」「パレスチナ人であれ、イスラエル人であれ、罪のない民間人はその犠牲になるべきではない。暴力は何十年にも渡る痛ましい報復の連鎖を助長し、親パレスチナ=反ユダヤ主義という誤った考えを持続させることに寄与している」などと声明を発表。ハマスを非難する一方で、「パレスチナの人々の困難や占領下での生活に深く共感しますし、心を痛めています」とも述べていた。

その後も、「イスラエル政府のパレスチナ人の扱いにはユダヤ的なものは何もない。イスラエル政府を非難することは、反ユダヤ主義ではないし、パレスチナ人を支援することはハマスを支援することにはならない」との考えも示しており、一連の投稿が脅迫の原因になっていると見られている。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)