宝塚歌劇団は20日、25歳の宙組団員が9月に転落死した問題で、上演中止としている兵庫・宝塚大劇場の宙組公演「PAGAD(パガド)」「Sky Fantasy!」について、千秋楽の11月5日まで全て中止すると発表した。11月25日初日予定の同組東京宝塚劇場公演については、「現状では変更はありません」とした。

また、11月10日開幕予定だった雪組公演も「生徒の心身のコンディションを最優先に対応する」ため、23日まで上演を見合わせる。加えて、各組スターがそろい、コロナ禍明けで4年ぶり開催予定だった「タカラヅカスペシャル」(12月21、22日)も中止する。

劇団では、外部の弁護士らによる調査チームを立ち上げ、2月に一部週刊誌で報じられた宙組内でのいじめ問題と団員急死の因果関係や、背後関係を調べている。だが「(宝塚大劇場の)10月22日までの公演を中止し、外部の弁護士の方々による調査チームがヒアリングを行っておりますが、調査にはまだ相応の時間を要する状況です」と説明。

あくまでも調査チームからの報告をふまえた上で「生徒が安心して宝塚大劇場の舞台に立ち、お客さまにご観劇いただける環境が整うまでは、公演の再開は難しい」とした。

同劇団をめぐっては、9月30日に宙組所属の団員が兵庫県宝塚市内の自宅マンションから転落死。宝塚署などは、自殺の可能性があるとみていた。これを受け、劇団では10月7日に会見し、原因究明のため、外部の弁護士を中心とする調査チームを設置していた。