映画「うさぎのおやこ」(上西雄大監督、来年春公開)が、イタリア「ミラノ国際映画祭2023」で、外国語映画長編最優秀作品賞、ダブル主演の徳竹未夏(41)と清水裕芽(25)が外国語映画長編最優秀主演女優賞を受賞した。

上西雄大監督(59)は「ひとくず」「西成ゴローの四億円」などで知られ、は映像劇団テンアンツを率いて俳優としても活躍している。

「うさぎの-」は、知的障害や発達障害、精神疾患者の心の姿とその周囲の悪意、善意の存在、そして救われる道は必ず存在することを描く。幼く見える軽度の知的障害者の22歳の女性・来栖玲(清水)は父を亡くし、母の来栖梨加(徳竹)も精神障害者となりネグレクト状態に。母に見捨てられそうになった玲は、デリヘルのバイトに応募してしまう。お金を受け取った玲だが、逃亡する。そして梨加からは「あんたのせいでパパは死んだ」という言葉を投げ付けられる。

主演の徳竹と清水は、ともに映像劇団テンアンツ所属。徳竹は上西監督作品の常連。清水は131センチと小柄で、年齢より若く見える。

上西監督は「映画『うさぎのおやこ』は、社会問題のそばで、人の心を描いた作品です。主演の徳竹未夏・清水裕芽は劇団発足当初より共に活動して来た仲間です。社会の片隅に生きる事に苦しむ親子の心を作品の核としましたが、2人は素晴らしい演技で表現してくれています。今回の受賞は、まさにこの2人にとって大きな喜びでありますが、僕やそしてその親子を支える本作品で大きな意味を担う役を演じた古川藍、そして作品に携わった者にとっても大きな喜びであります。そしてこの作品が授かった素晴らしい賞はその皆とともに分かちあいたいと思います。この作品がまた一人でも多くの方々にご覧頂ける事へとつなげていきたいと願います」と話している。