「シルエット・ロマンス」などのヒット曲で知られる歌手の大橋純子(おおはし・じゅんこ)さんが9日に亡くなったことが11日、分かった。
所属事務所が発表した。73歳。北海道出身。都会的なハイセンスな歌詞を力強く華やかに歌い、多くの人気を集めた。来年のデビュー40周年の節目を前に昭和の歌姫が旅立った。
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「シルエット・ロマンス」「たそがれマイ・ラブ」など、大人の恋を描いた曲で多くの人の心をとらえた大橋さんだが、近年は病との闘いが続いていた。
18年に初期食道がんだと発表。翌年に復帰会見を行ったが、この席で初期の乳腺がんが見つかり全摘・再建手術を行ったことを明かした。この時、「キーは落ちているかもしれないが、その自覚はない。病気の前と大きな変化はない」と、歌への影響はないと言い切り、その後に歌手活動を再開した。今年に入ってもライブやテレビ番組出演などで精力的に活動。だが、今年3月にがん再発のために活動の一時休止を発表した。この日、所属事務所は文書で「本人もとても残念がっており、治療とリハビリに励んでおりましたが、容体の急変により、この度、このようなご報告をしなければならなくなりました」と報告した。
常に歌うことに貪欲だった大橋さんは、70歳を超えても新たな音楽との出合いと進化を求め、世代やジャンルを超えたステージやレコーディングを楽しんでいた。最近は日本初のシティポップが世界的な規模で人気を呼び、大橋さんにも注目が集まっていた。最後のステージは今年1月20日。神奈川・よこすか芸術劇場で、東京キューバンボーイズとアロージャズオーケストラという老舗ビッグバンドのステージにゲスト参加する異色共演だった。所属事務所は「あねご肌の性格もあり、決しておごることなく私たちに背中(歌う様)を見せてくれました」と、思いやりにあふれた人柄も伝えた。
北海道・夕張生まれの大橋さんは小学生の頃からポップスに興味を持ち、短大在学中には、北大の軽音楽サークルでのバンド活動が注目された。上京後の74年にデビュー。その後に「たそがれマイ・ラブ」「シルエット・ロマンス」など数々のヒット曲を出した。
79年には作曲家佐藤健氏と結婚。84年からの約4年間、米ニューヨークに行くなど休業・充電期間も経験。07年に故郷の夕張が財政再建団体に認定された際には、チャリティーカバーアルバムを発売するなど、歌を通じてさまざまな社会貢献活動も実施してきた。



