KinKi Kidsが17日、東京ドームで恒例のコンサートを開催した。自身が持つ同所での単独アーティスト最多公演記録を66回に更新した。2日間で11万人を動員。所属するSMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)が創業者ジャニー喜多川氏(19年死去)の性加害問題に揺れる中でも、変わらぬサービス精神でファンを楽しませ、安心させた。

 

アンコールのラストで、堂本光一(44)が「今、不安に思うこともある日々かと思いますけども、こうやって2人でステージに立っていること、この光景が全てだと思ってください」と伝え、大きな拍手を浴びた。堂本剛(44)は「皆さんとこうして一緒にいられる時間をどうすればつなぐことができるのか、毎日、一生懸命考えています。そして強い気持ちの中で…」と声を詰まらせ、後ろを向いた。「皆さんと一緒に美しい未来にいけたらなと思っています」と絞り出し、再び大きな拍手を浴びた。

序盤に光一は「1年ぶりの東京ドーム。前はコロナ禍だったので、ルールがない中でやるのは久々です。オープニングから盛り上がってくれてうれしく思います」と喜んだ。最新アルバム「P album」収録曲や新曲「シュレーディンガー」(27日発売)などを披露した。終始和やかなムードで進行した。

ジャニー氏の性加害問題について、光一は10月に報道陣の取材に応じ「自分も、改めなきゃいけないところは改めていかなきゃいけない」と述べ、「ファンの皆さんも救われなきゃいけないと思う。剛くんと一緒に話し合いもしなきゃいけない。一歩ずつ進まなければ」と話していた。

97年にデビューし、翌98年から東京ドーム公演を続けている。光一が「コロナ禍を除いて毎年ずーっとやってきている。今日が66回目。ちょっとびっくりしました」と話すと、剛も「すごいね」とうなずいた。東京ドームでの累計総動員数は363万3000人、KinKi Kidsとしての全公演総動員数は累計507公演で1023万6900人に達した。

2人で歌声で魅了するパフォーマンスも、親しみのあるトークで楽しませるMCのスタイルもブレない。アンコールのあいさつで涙ぐんだ剛を見て、光一は「俺もそういう風にすればよかった~」とおどけた。剛もほほ笑んだ。ファンから温かい拍手を受け、光一は「この楽しい時間を、どうかまた来年も迎えられるように。皆さんとの時間1ページ1ページを刻めたらいいなと思います」とあいさつ。約3時間のステージを締めた。【横山慧】

 

○…中盤、花咲徳栄高の吹奏楽部OB、OGと共に「シンデレラ・クリスマス」を歌った。コロナ禍だった20年の配信ライブ以来の共演で、当時生徒だった元部員たちが集結した。光一は「皆さんを見てると、泣けてくるんですよね」としみじみ。剛も「純粋な愛がキラキラ出まくっているんだよね」と同調した。光一は「大人になったね~。今何歳? …21歳!? 息子でもおかしくねえじゃねえか!!」と仰天していた。