米俳優アレック・ボールドウィン被告(65)が19日、2021年に米ニューメキシコ州で行われていた映画の撮影現場で小道具の銃を誤射して撮影監督が亡くなった事故を巡り、過失致死罪で起訴された。昨年1月に一度起訴された後、同年4月に検察が起訴取り下げを決めたが、一転して刑事責任を問われることになった。

映画「ラスト」の撮影現場でリハーサル中に起きた事故では、安全を意味する「コールドガン」だと言って手渡された拳銃を使用中に誤射し、撮影監督のハリナ・ハッチンスさんが亡くなり、ジョエル・ソウザ監督も負傷した。その後の調べで、拳銃には実弾が装填(そうてん)されていたことが分かっている。同被告は、一貫して引き金を引いていないと否定している。

報道によると、ボールドウィン被告が引き金を引かない限り発砲は起きないという独立機関の分析結果を受けての起訴だという。有罪判決を受けた場合、最長18カ月の懲役刑が科せられる可能性があると伝えられている。

過失致死と証拠改ざんの罪に問われている武器担当を務めたハンナ・リード被告の裁判は2月21日に予定されているが、実弾がどのように撮影現場に持ち込まれ、装填されたのかは分かっていない。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)