今年は1987年(昭62)に52歳で亡くなった“昭和の大スター”石原裕次郎さん生誕90周年の節目。

メモリアルイヤーを記念して、ファンが選んだ初の裕次郎ベストアルバム「Best Of Best」(テイチク)が3月20日に発売されることが28日、分かった。

昨年10月に裕次郎さんの公式ファンサイト「裕次郎俱楽部」が開設された。そのサイト内で、誕生日の12月28日から「あなたの好きな石原裕次郎の曲は?」というアンケートを実施。1000通を超える応募があり、514曲の中から選ばれた上位16曲をアルバムに収録した。

1位は「北の旅人」。裕次郎さんが体調不良のため、ハワイで療養していた際に現地のスタジオで録音した曲だ。亡くなった翌月に追悼盤として発売。多くのヒット曲を持つ裕次郎さんだが、オリコンで唯一、週間ランキング1位を獲得した作品で125万枚のヒットになった。他にはカラオケランキング上位の常連曲「ブランデーグラス」「夜霧よ今夜も有難う」、デュエットの定番「銀座の恋の物語」、生前最後のシングル「わが人生に悔いなし」などのヒット曲が並んでいる。

ファンからは「歌声を聴くだけで寒い冬の北海道で情景が浮かんでくる曲です」(北の旅人)や「映画のセリフも思い出すほど好きな曲」(赤いハンカチ)などの声が寄せられた。

実は裕次郎さんが所属したレコード会社「テイチク」も同じ90周年。アルバムは、数多くのヒット作を生み出した歌手&レコード会社の“ダブル90周年”のメモリアル企画となる。

まき子夫人は「今から90年前。石原裕次郎が生まれた1934年に創立したテイチクさんも今年90周年を迎えられたとのこと、本当におめでとうございます」と祝福し、「そのような節目の年に、今も石原裕次郎の歌を愛して頂いているファンの皆さまが選んでくださったアルバムが発売となることをうれしく思います」と喜びのコメントを寄せた。そして「時代を超えて愛される石原裕次郎の歌が、これからも多くの方々の心に届くことを願っております」と続けた。

死去から37年。昭和から平成、令和と元号が変わっても、裕次郎さんが残した名曲は多くのファンに愛され続けている。

◆石原裕次郎さんのヒット曲 56年に「狂った果実」で歌手デビューした裕次郎さんは、シングル曲レコード237、CD62、カセット125の424作を発売した。これにLPレコードなどを合わせると累計で6960万枚を売り上げた。最大のヒットは「銀座の恋の物語」の335万枚で、生前最後のレコーディング曲「北の旅人」は125万枚。合わせて12作品がミリオンセラーだ。