NHK大河ドラマ「光る君へ」にも出演するタレント、漫画家の矢部太郎(46)が27日、都内で3年ぶりのコミックエッセー「プレゼントでできている」(新潮社)刊行記念トークイベントに出席した。

今エッセーは人からよく「もの」をもらう矢部が、有形無形を問わないさまざまな「もらう・あげる」の体験を時にほのぼのと、時に深く描いている。

スペシャルゲストとして、矢部と長年交流のある今田耕司(58)が登壇。矢部はコンビ時代に今田が出演していたフジテレビ系バラエティー番組「あいのり」の前説を10年担当していた。今田は作品について「むちゃくちゃ面白かった」と太鼓判。「矢部は漫画っていう表現方法を手にしてから、いろんな面で豊かになったような気がする。お笑いだけの時って今とはまた違う緊張感がいつもあったらか、苦しそうに見えたときもあったし。漫画っていう表現を身に着けたのはものすごく大きいと思います」と後輩の成長に感服。矢部も「今田さんに読んでもらえてうれしい」と恐縮した。

矢部は現在放送中の大河ドラマで吉高由里子演じるまひろの従者、乙丸を好演中。後輩の多岐にわたる活躍に今田は「『全裸監督』観てたら急に矢部が出てきた。俳優経験は芸人さんの中でもすごい積んでる。それが大河までっていう…。一発当てたい人が多い世界で、(矢部は)いろんな所に種まいて、年齢とともに花開く。さんまさんや千鳥を目指す芸人もいる中で、矢部太郎を目指したい人もいるかもしれない。一つの指針になっている」とねぎらった。作品については「世の中ちょっと荒れてるじゃないです。温かい飲み物でも置きながらほっこりしてもらうにはもってこいの本だと思います」とアピールした。

今エッセーは人からよく「もの」をもらう矢部が、有形無形を問わないさまざまな「もらう・あげる」の体験を時にほのぼのと、時に深く描いている。 

矢部は『小説新潮』で連載した、自身と自宅大家との日常を描いた漫画「大家さんと僕」で18年に「第22回手塚治虫文化賞短編賞」を受賞している。