演歌歌手川中美幸(68)が2日、大阪市の大阪松竹座で行われた「松竹新喜劇 喜劇発祥120年」公演の取材会に出席した。

曽我廼家(そがのや)五郎と十郎が、「笑い」を主題にした「喜劇」と銘打った芝居を演じてから120年。これを記念し、松竹新喜劇を代表するまげもの喜劇「幸助餅」と、娘の結婚をめぐって本音と建前で揺れる母親の心情をユーモラスに描いた「村は祭りで大騒ぎ」の2作が上演される。

川中は「村は祭り-」に母親役で出演する。

約13年前、今回共演する曽我廼家文童から「喜劇やらはったらええのに」と誘われた。両親が松竹新喜劇の大ファンで、自身も子供の頃から藤山寛美さんのマネをするなど「何度も何度も出たい」と話していただけに、出演が実現し感激。

「こんな形で出演できて夢のよう。今まで経験したこと、人の人情に触れて笑いも涙もあって、そんなすべてを舞台で出せて、花を添えることができたらと思っています。それは私が熱望したことなんです」

作品では劇中歌も歌う予定で、「『せっかく出るんだから最後のところで歌ってはどうですか?』と言っていただいたので、歌わせていただければ、それに越したことはない。お芝居の邪魔にならないように張り切って(歌いたい)」と意気込んだ。

「非常に殺伐とした世の中で、人との出会いも希薄になってる。『昔は良かったな』じゃなくて、これからも必要なのは人と人とのぬくもり。それを皆さんに感じていただいて、私なり恩返しをして発信していければ。これからの時代も松竹新喜劇は必要なんです」と熱く語っていた。