秋元真夏(30)には生まれ持った「和ませ力」がある。4月2日に行われた「JAタウンオフィシャルサポーター」就任記者会見でも際立っていた。上品なメンバーが多い乃木坂46の中でも特に「柔」の人。グループ卒業後も変わらず周囲を和ませている。

会場は東京・大手町のJAビル内。全国農業協同組合連合会(JA全農)の神林幸宏常務理事から任命書を渡されるなど、芸能関連イベントとしてはやや“お堅い”雰囲気の会見だった。それでも、持ち前の柔和なオーラは変わらず、終始笑顔を崩すことなかった。料理が得意で、「弟からは、彼女ができた時に料理が上手な人を求めちゃうから困る、って言われました」などとユーモアを交えつつ司会者とトークした。

極めつけは降壇後だった。会見とフォトセッションを終え、お辞儀をして拍手を浴びながら退場した後もまだマイクの音が入っており、小声ではあるが「緊張した~」と秋元の声が流れた。思わぬハプニング? に、厳かだった雰囲気の関係者にも報道陣にも、思わず笑みがこぼれた。関係者によれば本人は「恥ずかしかったです…」と照れていたそうだが、天然の魅力で場を和ませた。

11年8月に乃木坂46の1期生オーディションに合格したが、直後から学校の関係などで活動休止。大学に入学し、加入から1年以上が経過した12年10月から復帰した。同12月発売の4枚目シングル「制服のマネキン」でいきなり選抜入りしたこともあり、一部ファンやメンバーからネガティブな反応もあった。それでも人懐こい性格や握手会などでの「神対応」など、努力と人柄で徐々に受け入れられていった。

アイドル活動は波乱のスタートとなったが、18年9月から乃木坂46の2代目キャプテンに就任。結果的にはグループ歴代最多タイとなるシングル28作連続選抜入りを果たすなど、長きにわたって活躍した。時には後輩からもイジられ、ロケやライブでたびたび転んでは「ワザとでしょ」とツッコまれることも多かったが、その愛されキャラも含めて天性のものだろう。

昨年2月に最後の現役1期生として惜しまれつつも卒業した。卒業後は芸能事務所「ジャパン・ミュージックエンターテインメント」へ移籍したが、卒業間際のライブまで「乃木坂46のために最後まで精いっぱいやりたいです」とスタッフに直訴していたという。

会見でも、3月31日に結婚を発表した同期の西野七瀬(29)に直接祝福の連絡をしたことを明かし、「JAタウンの果物を使って、乃木坂46の後輩たちに手づくりのケーキを振る舞いたい」とコメントするなど、事務所は変わっても同期や後輩とは引き続き交流があるようだ。

4月からはTBS系「よるのブランチ」(水曜午後11時56分)の新レギュラーに就任した。ブレない人間性の柔らかさは芸能界でも貴重な存在で、スタッフから見ても安心感があるのだろう。今後も現場やお茶の間を和ませてくれそうだ。【横山慧】