11日に大相撲の第64代横綱を務めた米ハワイ出身の曙太郎さんが東京近郊の病院で心不全で亡くなったことを関係者が明らかにしたことを受け、故郷ハワイのメディアが「外国生まれの力士として初めて最高位となる横綱のタイトルを獲得し、歴史に名を残したハワイの伝説的人物」が死去したと報じた。

ホノルルのテレビ局のニュース番組「ハワイアン・ニュース・ナウ」は、「角界のパイオニア的巨人で、誇り高きハワイアンの曙さんが54歳で死去」とニュース速報で伝えた。「ハワイと日本で、最も有名な人物」と称し、2メートル超の身長と体重226キロの巨体を生かして通算11度の優勝を含む560以上の勝利をあげ、1998年長野冬季五輪の開会式では土俵入りも披露したなどと伝え、ハワイ出身の曙さんの死を悼んだ。

また、ニューヨーク・タイムズ紙も「ハワイ出身の力士で、角界初の外国人横綱となった曙太郎氏が死去した」と報じている。

ラーム・エマニュエル駐日米国大使は、X(旧ツイッター)で、曙さんの訃報に際して「角界の巨人であり、誇り高きハワイアンであり、日米の懸け橋でもあった曙さんの訃報に接し、深い悲しみを覚えています」と声明を発表。「1993年に史上初の外国出身力士として最高位である横綱となったことで、他の外国人力士が大相撲で成功する道を切り開きました。日本での35年間で、スポーツを通じて私たち全員を団結させることで、米国と第2の故郷となった日本との間の文化的な絆を強化しました」とつづり、ご家族や友人、世界中の相撲ファンに心よりお悔やみを申し上げますと締めくくった。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)