昨年12月に73歳で亡くなった歌手八代亜紀さんの歌声が、オーケストラの生演奏でよみがえる。「八代亜紀追悼コンサート~オーケストラで蘇る 感動の歌~」で、5月4日に東京のJ:COMホール八王子で行われる。

「なみだ恋」「おんな港町」「雨の慕情」「舟唄」など、レコーディングされた八代さんの歌声を抽出。それに合わせ、40人以上で構成されたオーケストラプレゼンターが生演奏する。3部に分け、全12曲が披露される。

オーケストラプレゼンターは、国内外の第一線で活躍するソリストや演奏家たちで構成され、クラシックオーケストラの概念を超えたマルチプロフェッショナルオーケストラ。その卓越した演奏のもと、八代さんがその場で歌っているかのような演出になる。秘蔵映像なども流される。

コンサートには八代さんとゆかりのあった小林幸子、天童よしみ、福田こうへい、青山新が出演。オーケストラの演奏で、それぞれ八代さんのヒット曲を歌唱する。

40年以上親交があった小林は「亜紀さんは昭和の歌姫であり、歌謡界に歴史をつくってくれた人。大好きな亜紀さんと過ごした思い出を胸に込めて、参加させていただきます」。

天童は「八代さんの大切な曲を歌い継ぐのは、私たちの使命だと思います」。福田は「八代さんが残した名曲の数々を後世に伝えるべく、懸命に歌わせていただきたいと思います」。青山は「僕が演歌歌手を志すきっかけをいただいたのが八代亜紀さんでした」と、それぞれコメントしている。

幼少からの秘蔵写真や、パリ公演の模様、絵画の創作映像なども紹介される。終盤には「雨の慕情」と「舟唄」を観客と出演者で合唱するコーナーもある。

会場には八代さんへのメッセージコーナーが設けられ、コンサートの最後に一部紹介される。また、五木ひろし、伍代夏子、坂本冬美、コロッケ、島津亜矢らのメッセージも紹介される。司会は元NHKアナウンサーの宮本隆治が務める。開演は午後3時。ちなみに全席指定のチケット代は8460(ヤシロ)円。

八代さんは昨年12月30日に、急性進行性間質性肺炎のため死去。年が明けた今年1月9日に、所属事務所が発表した。3月26日には都内でお別れ会が開催され、3000人が参列した。八代さんが生前の残した肉声をAIで合成した声が流れ、参列者の涙を誘った。