シンガー・ソングライターさだまさし(72)泉谷しげる(75)南こうせつ(75)森山良子(76)、スターダストレビュー、サンドウィッチマンらが19日、名古屋国際会議場センリュリーホールで能登半島地震の被災地支援コンサート「がんばれ能登 緊急支援チャリティーコンサート」を行った。さだの呼びかけで行われ、収益金はさだが設立した「公益財団法人・風に立つライオン基金」を通じて被災地へ支援金として届けられる。

さだと泉谷は、長崎・雲仙普賢岳の大噴火(91年)以来、北海道南西沖地震で大津波の被害を受けた奥尻島の救援(93年)、阪神・淡路大地震(95年)、そして東日本大震災(11年)や熊本地震(16年)など、災害が起こるたびに被災地支援を呼びかけてきた。

特に東日本大震災以降は2人で被災地を回ることが多く、お互いに「ライフワークのようになっていた」と言う。泉谷は「お互いに助け合い、支え合っていかなければならない」と話している。今回の能登半島地震では、今月15日に被災地である石川県の珠洲市や能登町、穴水町を半崎美子(43)相川七瀬(49)らと共に訪れ、義援金や各所の神社での奉納ライブを行った。

さだは「災害にあたっては悲しいほど無力感に襲われる。音楽家にできることはとても少ない。ただ、2カ月ぐらいたつと、本当に音楽が必要だなって思うようになってくるんですね。しかも、被災地にとって一番つらいのは忘れ去られてしまうことなんです」と呼びかけた。山崎まさよし(52)も急きょ駆けつけるなど、総勢10組が一堂に会してコンサートを繰り広げた。さだは「心ある素晴らしい仲間たちと共に、災害に苦しんでおられる方々へ、忘れないよ、ちゃんと応援しているよっていうサインは送り続けていきたい」と話した。

南は「今、コンサートをやることは意義がある。災害が起きた時は本当に何もできないけど、そこで止まっている場合じゃない。大変だけど、こうやって歌を届けことでみんなの心が満たされ、明日からも生きていこうなと言う気持ちにもなる」と訴えていた。

泉谷は「とにかく、地震バカヤロー! って言いたい気分だよね。この前、さだと能登に行ったように、俺たちが自ら行くことで、安全になったことをアピールすることも重要なんだよ。俺たちが、率先してリーダーをやなきゃダメ。俺は今年、9月には珠洲市(9月21日『ラポルト珠洲』)から呼ばれているし、そこで無料ライブをやる」。森山は「集まったみんなで、被災地の方々に元気を感じてもらえば最高だと思っている」と話した。

山崎の「セロリ」で幕を開けたステージは、さだが「道化師のソネット」、南が「神田川」、スターダスト☆レビューが「木蘭の涙」、さらにはさだと吉田政美(71)のグレープが「精霊流し」、泉谷が「春夏秋冬」、森山が「今」などを熱唱。最後は全員で「翼をください」と「上を向いて歩こう」を歌い上げた。