一見脱力系のギャルたちの本気モードの格闘シーンに心をくすぐられた。3年前に公開された「ベイビーわるきゅーれ」である。9月27日に公開されたシリーズ3作目となった「-ナイスデイズ」は興行規模が全国に広がった。
ゆるっと日常を送る女子2人組の裏の顔は、実は腕利きの殺し屋コンビという設定で、第1作で高校卒業間際だった2人が、3作目では20歳になっている。
演じる高石あかり(21)はエイベックス主催のキッズコンテストの出身。伊澤彩織(30)は日大芸術学部映画学科から映画界入りし、スタントパフォーマーとして多くの作品に関わってきた。
歩んできた道はまったく違うが、その髪形からお笑いコンビ、ガンバレルーヤにイメージが重なる2人のまったりとした仲良し会話と、一転魅せるキレキレのアクションとのギャップがこのシリーズの魅力だ。
本編3作目に続いて、4日に公開されたばかりの「ドキュメンタリー オブ ベイビーわるきゅーれ」は、激しいアクション撮影の舞台裏を映し、2人の本音ものぞいて興味深い。
第3作の敵役として「最強の殺し屋」を演じる池松壮亮(34)がシリーズの特異性を証言している。この人の身を削るような役作りにはいつも感服させられるが、異色シリーズからのオファーを喜々として受け、この分野で日本映画界を引っ張る阪元裕吾監督=園村健介アクション監督のコンビを意識して、かなりの準備をしてきたことがうかがえる。
そんな池松が「こういう世界があったんだ」と素直に驚きを明かす。「女性のおなかにキックを入れるとか本当に無理なんですけど、伊澤さんは『リアクションを取りたいからもっと』というし、実際にやって(組み合って)みると、伊澤さんがあまりにも強いので」と、スタントパフォーマー伊澤の底力に舌を巻く。
過酷な撮影をいつも淡々とこなす池松が「痛すぎて、実は(昨夜)一睡もできなかった」と苦笑いするひと幕も。本編の迫力に改めて納得がいく。
「本職」の伊澤に対し、高石のアクションシーンも作品を追うごとに増え、ナイフや拳銃の扱いがどんどん練れてきていることが記録映像の端々にうかがえる。撮影の合間にスタッフと入念な確認をする様子も映されている。
伊澤について高石は「初対面の時からホントに腰の低い人で、それがアクションはずばぬけてスゴイ人。ギャップにやられます」
伊澤は「初顔合わせでは、こんなかわいい人とコンビを組むんだと。また、あかりちゃんのお芝居を見たいなあと思う」
それぞれのインタビューに互いへのリスペクトがにじむ。コンビで強敵に立ち向かうシーンに信頼感が漂うわけである。
一方で、高石は「まひろ(伊澤の役名)ちさと(高石の役名)で呼び合う時は、ホントに何でも話せる感じ。(本名に)戻ると照れちゃうくらい」と脱力系会話の裏側を語る。
3作目のもう1人のメインゲスト、前田敦子(33)をはさんで記念の自撮りをする様子は、まさに脱力モードだ。その前田もマシンガンを手に「ベイビー-」のアクションワールドに参戦しており、初めて手にした重火器に「重っ!」と目をむくオフショットが紹介されている。
シリーズのファンには見どころ満載だが、ネタバレ要素も少なくないので、あくまで本編を見てからの鑑賞をお勧めする。【相原斎】
※高石の「高」の表記は、正しくは上の口に縦棒を上下に延ばす「はしごだか」



