助演女優賞は助演男優賞同様に、「国宝」(李相日監督)の出演女優が3人、ノミネートに名を連ねた。その中から「宝島」(大友啓史監督)、「敵」(吉田大八監督)、「ふつうの子ども」(呉美保監督)、「レイブンズ」(マーク・ギル監督)にも出演した瀧内公美(36)が初受賞した。11月22日に東京・築地の日刊スポーツ本社で開催した、選考会での議論を公開する。(選考委員は敬称略)
<助演女優賞ノミネート>
瀧内公美(36=「国宝」、「宝島」、「敵」、「ふつうの子ども」、「レイブンズ」)
寺島しのぶ(52=「国宝」)
森七菜(24=「国宝」、「秒速5センチメートル」)
伊東蒼(20=「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」)
二階堂ふみ(31=「遠い山なみの光」)
寺脇研(映画評論家) 瀧内さんは、19年「火口のふたり」が良かったが、その時は(選考会で)評価されなかった。「国宝」「宝島」「ふつうの子ども」ともに、謎解きみたいな役割で出てきて、そこで救われる。それがバイプレーヤーの役割だと思います。
伊藤さとり(映画パーソナリティー) 瀧内さんは「敵」が、すごく良かった。主人公(長塚京三が演じた元大学教授・渡辺儀助)の、ぼけが始まった時、女として翻弄(ほんろう)する役で出てきて、画面を全てエロチックに持っていってしまうのは、この人しかできない。この映画と「ふつうの子ども」が、瀧内さんの魅力を、うまく出せていた。「国宝」での使い方は、ちょっともったいない。
服部宣之(テレビ朝日ストーリー制作部長) 僕も同感。モノクロの世界で、瀧内さんだけで見せていた感じがするくらい「敵」の瀧内さんは、ゾクゾクした。色気があって、素晴らしかった。
伊藤 「レイブンズ」も素晴らしいかったですね。
駒井尚文(映画.com編集長)「国宝」「宝島」両方に出ているのは、すごい。
笠井信輔(フリーアナウンサー) 伊東蒼さんの告白のシーンは、四の五の言いながら自分の思いを言う…インパクトが強烈で、1シーンで全て持って行く名シーンでした。一方で、二階堂さんも、すごい良かった。芝居は一番、好きで、この人、何なんだろう? と、ずっと見ていたら…ああいうオチ、役どころなのだと。気が立って、性格がキツイ役は得意なんだけど、すごい良かった。でも一昨年、助演女優賞を取っているのはマイナス要因。瀧内さんは、短い時間でもビシッと締める、非の打ちどころのない存在感。票が集まるのは当然だと思います。
石飛徳樹(映画評論家) 私も伊東蒼さん。笠井さんがおっしゃったシーンですが、かなり早い段階から泣き始めて、僕は涙が、まだ終わらないのか…と思ったんですけど、どんどんエスカレートして…本当にすごいシーンでした。「秒速5センチメートル」は、映画としては、個人的には、あまり好みではありませんが、森七菜さんは光った。
福島瑞穂(参院議員) 「国宝」に出てくる女性の中で、やっぱり寺島しのぶさんが面白いなと思って。歌舞伎の世界の中で、いろいろな思いを持っていると思うんですよ。あの映画の中で寺島さんの起用って、面白くて、彼女が出てくると場面がピシッとなる気がして…体当たりの演技を続けているという意味で。
<投票1回目>
◎瀧内公美 8
森七菜 3
伊東蒼 3
寺島しのぶ 1
※過半数の8票を得た作品、俳優が受賞



