第38回日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞が28日に発表された。助演女優賞は、「国宝」でキーパーソンを演じ、「ふつうの子ども」「宝島」などでも好演した瀧内公美(36)が受賞した。
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助演女優賞の瀧内は「映画の神様とお客さまは必ず公平な目で見てくださると信じてやってきました」と受賞をかみしめた。主演級の立ち位置だった「敵」や「レイブンズ」から、対極の母親像を演じ分けた「ふつうの子ども」と「ゆきてかへらぬ」。そして今年を代表する2大作「国宝」と「宝島」の両方にただ1人出演して強烈な印象を残した。
「うまくなりたい一心で。可能な限り出演させていただきました。ワキでも自分では4番バッターだと信じて打席に立ちます。三振かもしれないけど、思いっきりバットを振ります。だから、原作があれば、必ず読んでイメージを固めます。監督の過去作は全部見ます。そしてホン(脚本)で意図を読み取ります。現場ではスタッフさんと話してカット数を確認したり、監督のクセを把握します。気分転換? う~ん。映画を見ることですかね」
NHK連続テレビ小説「あんぱん」などドラマ3本を含め、文字通り大車輪の1年。どの作品でも、きりっと存在感を示した。スキなく見えるが、動物にはかなわなかった。
「『シバのおきて』というドラマで、わんちゃんがあまりにうますぎて、芝居は動きだなあ、と。胸に迫りました。見とれていたら自分のセリフを忘れていたんですよ」【相原斎】
◆瀧内公美(たきうち・くみ)1989年(平元)10月21日生まれ、富山県出身。14年「グレイトフルデッド」で映画初主演。19年「火口のふたり」でキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞。21年「由宇子の天秤」で日本映画批評家大賞の主演女優賞。昨年のNHK大河ドラマ「光る君へ」では源明子役を好演。今年のNHK連続テレビ小説「あんぱん」では師範学校の熱血教師役で存在感を示した。
◆昨年「ゴールデンカムイ」と「正体」で助演女優賞の山田杏奈(24) 受賞おめでとうございます! 出演作を拝見していて役を通してにじむ生命力の美しさ、力強さに感銘を受けています。このようにコメントを寄せさせていただけること、とても光栄に思います。いつか同じ現場でご一緒させていただける日を願っています!
◆レイブンズ 深瀬(浅野忠信)は写真館を継ぐことを拒んで上京し、妻となる洋子(瀧内)に出会う。最愛の妻は最強の被写体となり、2人は革新的な作品を作り出していく。懸命に働く深瀬だったが、洋子の信頼を裏切り、彼女の夢もうちくじいてしまう。
◆ふつうの子ども 小学4年生の唯士(嶋田鉄太)は同級生の心愛(瑠璃)が気になり近づこうと頑張るが、彼女はクラスの問題児・陽斗(味元耀大)にひかれている様子。そんな3人が始めた「環境活動」が思わぬ方向に転がり出す。瀧内は心愛の母冬を演じた。
◆敵 大学教授だった77歳の渡辺儀助(長塚京三)は妻に先立たれ、1人暮らし。「終活」もイメージしながら穏やかな日常を過ごしていたある日、パソコン画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。瀧内は儀助の元教え子・鷹司靖子を演じた。



