7人組女性アイドルグループ、FRUITS ZIPPERが2月1日、初の東京ドーム公演「FRUITS ZIPPER SPECIAL LIVE 2026『ENERGY』」を行った。

チケットは完売、過去最大の5万人が見守る中、グループの全体楽曲全34曲にソロ曲などを加えた計44曲のステージで約4年間の活動の軌跡を示した。序盤からほぼ全員が涙するなど、夢に掲げたステージをかみしめながら7人が成長した姿を見せた。

“ハッタリ”ではない光景が広がっていた。オープニング映像を終えると、メンバーそれぞれが自身の顔を模した気球に乗ってド派手に登場。1曲目はデビュー時から歌う5曲のうちのひとつで「グループの中でも大切な楽曲」とする「RADIO GALAXY」をパフォーマンスした。タイトル通りのペンライトきらめく銀河のような光景が広がり、ドームの空に浮かんだメンバーは涙ぐみながら歌った。

気球がステージに降り立つと大歓声が起こり、真中まな(26)は「こんなにたくさんの方とドーム公演を迎えられてうれしいです。終わるまで泣かないと決めていたんですけど、出た瞬間、号泣しました」とあいさつ。もともと高所でのパフォーマンスが苦手な松本かれん(23)は「リハーサルの時はすごく怖かったんですけど、ファンのみなさんが近くにいたら『やっほー』みたいなテンションで気付いたら終わっていて、怖くなかったです!」と笑顔で話した。

ここ30年で日本発女性アイドルでたどり着いたのは、AKB48、ももいろクローバーZ、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46ら一握り。“国民的アイドル”への階段を着実に駆け上がっている。昨年末に「NHK紅白歌合戦」に初出場し、年明けからは“ドームモード”で準備。会場は1月30日までレディー・ガガがワールドツアーで使用しており、早瀬ノエル(22)は「ガガさんのあとということで、気合はめちゃくちゃ入っています」と力を込めていた。会場での直前リハーサルなどは限られたが、会場内には等身大アクリルスタンドの展示を行ったほか、気球での登場も含め、広い会場を存分に使った演出で楽しませた。

本編では2~3人ずつに分かれたユニット曲3曲、アンコールでは2日リリースの新曲「成長期なので。」も初披露。終盤には昨年の「NHK紅白歌合戦」でも披露したヒット曲「わたしの一番かわいいところ」もパフォーマンスした。櫻井優衣(25)は「みなさん一番かわいく歌ってください!」と呼びかけ、紙テープ舞う中でグループの名前を広めるきっかけとなった楽曲を笑顔で歌いきった。本編最後は人気曲の「完璧主義で☆」、アンコールラストは「超めでたいソング~こんなに幸せでいいのかな?~」で締めた。

最後は仲川瑠夏(28)がマイクを握り、ここまでの活動への感謝を語った。「7人で無事にこの日を迎えることができて感謝の気持ちでいっぱいです。私たちは100人規模の小さなライブハウスでデビューして一生懸命頑張って、楽しいこと、しんどかったこと、悲しいこともたくさんあった3年10カ月でした」と振り返り「でも、そんな私たちがたくさんの夢をかなえてこれて、ここ東京ドームでライブをする大きな夢をかなえてくれたのは7人の力だけではありません。いつも応援してくれて優しく寄り添って励ましてくれたファンのみんなや、サポートしてくれるマネジャーさん、スタッフ、関係者のみなさんがいるから私たちはここまで輝き続けることができました。もっと大きな夢をかなえるときは、ふるっぱー(ファンの総称)のみんなに一緒にいてほしいなと思います。私は本当に本当にみんなのことが大好きです。とってもとっても大好きです。本当に今日はこんな素晴らしい景色を見させてくれて、東京ドームに立たせてくれて、ありがとうございました」。会場は大きな拍手に包まれた。

「実を結ぶ」という意味を持つFRUITに、「元気を与える」という意味のZIPを組み合わせて22年4月に数百人ほどを集めた都内のライブハウスで活動を始めた7人。SNSでの楽曲流行とともに異例のスピードで力をつけ、昨夏のさいたまスーパーアリーナ公演時に東京ドーム公演開催をサプライズ発表した際は「ぴゅあいんざわーるど」の歌詞の一節「どデカい事 ハッタリかましてこう」という言葉も使われた。 アソビシステムのアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」から誕生し、「原宿から世界へ」を合言葉に「NEW KAWAII」の体現者として活動してきた。櫻井は「これからも大好きなみなさんと一緒にたくさんNEW KAWAIIを届けられるように頑張るので、応援よろしくお願いします」とあいさつ。仲川も「これからも『NEW KAWAII』という大切な言葉をもっともっとたくさんの人に届けていきたい」と力を込めた。

活動約4年で観客は100倍以上、楽曲も5曲から約50曲まで増えた。4月末からは全国8都市16公演を行う全国アリーナツアーも控える。鎮西寿々歌(27)は「私たちはこの東京ドームから、さらに大きな夢に向かって羽ばたいていきます。これからもいろんな夢をかなえていきたいです。原宿から世界へ、そして宇宙へ。いつまでも自分たちらしく、まだまだアイドル以上のアイドルを目指して、私たちは進み続けます」と宣言した。

憧れの舞台に立ち、約3時間のステージで5万人が熱狂。見る者に大きな“エナジー”を与えながら、7人は夢を結実させた。【松尾幸之介】

 

◆FRUITS ZIPPER アソビシステムのアイドルプロジェクト「KAWAII LAB.」から22年4月にデビュー。総合プロデューサーは自身も元アイドルの木村ミサ氏が務める。23年「日本レコード大賞」最優秀新人賞、24年と25年は「NEW KAWAII」と「かがみ」でそれぞれ同優秀作品賞受賞。25年「MUSIC AWARDS JAPAN」で「わたしの一番かわいいところ」が最優秀アイドルカルチャー楽曲賞受賞。