童謡の魅力を歌い継ぎ、世界中に広めてきた由紀さおり(79)安田祥子(84)姉妹が1986年(昭61)に童謡コンサートをスタートさせて40年となる。節目の年を記念したベストアルバム「日本の四季」を15日に発売する。2人がこのほど取材に応じた。

由紀は「春夏秋冬の四季の風景を描いた40曲を収録しました。今は二季みたいになっちゃっているけど(笑い)。童謡の持つ日本語の豊かさや心の琴線に触れる表現、情緒感みたいなものをしっかりと表現しています」。そして童謡の魅力について「余白の文化とか行間を読むとか、言葉の裏側にある思いが詞にあふれた楽曲」と説明する。

姉妹で小学生の時から「ひばり児童合唱団」で童謡歌手として活躍。童謡はもともと子供向けの歌だが、2人の歌唱によって“大人も聴く曲”として幅広く認知されてきた。80年代後半には中高年層を中心に大ブームを巻き起こし、年間155本ものコンサートを実施。01年からはワールドツアーを開催して世界中に日本語の美しさを伝えてきた。由紀は童謡の歌唱を「使命」とさえ言っている。

だが、最近では「故郷(ふるさと)」の歌詞にある「うさぎ“追いし”」が「うさぎ(を食べると)“おいしい”」と誤った解釈をされることも。安田は「時代の流れで仕方がないけれど、私たちの世代で共通項としてあった日本の原風景を残したい」と歌い続ける意味を強調。由紀も「若いお父さんやお母さんがお子さんたちに歌って聴かせてほしい」と続いた。

6月11日には東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で40周年記念公演を開催する。由紀は「姉も私も7センチのヒールを履いて歌います。まだまだ元気な2人をぜひ見に来て」。四季を味わえる、あたたかなステージにする。【松本久】

◆由紀さおり(ゆき・さおり)1946年(昭21)11月13日生まれ、群馬・桐生市出身。69年に「夜明けのスキャット」が150万枚のヒット。12年に紫綬褒章、19年に旭日小綬章。

◆安田祥子(やすだ・さちこ)1941年(昭16)9月9日生まれ、川崎市出身。東京芸大大学院修士課程修了。同大講師を18年続けた。草苑保育専門学校特任講師。