滋賀県の琵琶湖で、春の訪れと湖上観光シーズンの幕開けを告げるイベント「びわ湖開き」が10日開かれ、大型観光船など約40艇が湖上をパレードした。

 例年3月に開催。昨年は東日本大震災の影響で開かれなかった。この日、湖上安全を祈るとともに環境保全を呼び掛けた。57回目の今回は、東日本大震災で被災し福島、宮城などの各県から滋賀県に避難した人々らを招待。約130人が湖上遊覧を楽しんだ。

 イベントのシンボル「黄金の鍵」を湖に投げ入れる一日船長には、NHKの連続テレビ小説「カーネーション」でヒロインの次女小原直子を演じる川崎亜沙美(27)が選ばれた。川崎は「琵琶湖に来るのは初めてで水の大切さを実感した。黄金の鍵は『いけ、いけ』と東北の復興への強い思いを込めて投げ込んだ」と話した。

 主催のびわ湖大津観光協会の担当者は「県外の人には大津や滋賀県を訪れ、琵琶湖の美しさなどを知ってほしい」と期待を込めた。