昨年8月、合成麻薬MDMAを一緒にのみ容体が急変した女性を放置し死亡させたとして、保護責任者遺棄致死罪で起訴された元俳優押尾学被告(31)の弁護人が26日会見し、公判で無罪を主張し検察側と全面的に争う姿勢を見せた。弁護人は「必要な保護措置を取っており、遺棄行為に当たらない」と述べた。押尾被告は捜査機関に「強い怒りを感じる」と話し、女性へのMDMA譲渡の事実もないという。裁判員裁判となる押尾被告の事件はさらに注目されることになった。
会見した弁護人によると、押尾被告は保護責任者遺棄致死罪について「女性(田中香織さん=当時30)は薬物の使用後、独り言を言ったり、笑ったりもしたが、正気に戻ったりもしたので、死亡するとは思わなかった」と主張しているという。
検察側は容体急変から死亡までは約1時間あり、すぐに救急車を呼べば助かったと主張している。弁護人は「検察側は押尾氏の言い分を全く信用しない。検察側のストーリーに沿った事実を認めさせようとする。そのような供述調書への署名を拒むと、『おまえは逃げるのか』と怒りだして威圧する」などと説明した。
その上で「女性の死亡は急死で、死亡まで数分程度、長くて約30分。押尾氏が119番通報をしたとしても、十中八九は救命が可能だったとは考えられない」と検察側に反論した。押尾被告は容体急変後、田中さんに心臓マッサージなどを行ったが、死亡を確認した、と説明しているという。
押尾被告は昨年12月、MDMAを亡くなった田中さんに譲渡したとする罪でも起訴されている。弁護人には「田中さんが自分で持ち込んだMDMAを自分でのんだ」と起訴内容を否認し、促してもいないと主張しているという。検察側は薬物を持ち込んだ人物について、過去に押尾被告と使用したとされる人物から供述を得ているとするが、弁護側は「状況証拠にすぎない」と反論している。一方で、同じ合成麻薬であるTFMPPの所持罪については認めているという。
押尾被告は「自分は捜査機関に対しても、弁護人に対しても、記憶に従ってありのままの供述をしている。それにもかかわらず、保護責任者遺棄致死罪で起訴されたことに強い怒りを感じる」と話しているという。
一方、検察側も事件に関連して逮捕された押尾被告の知人らの証言などから、公判維持にも自信を持っており、裁判員裁判となる事件の行方は一層注目される。
[2010年1月27日9時47分
紙面から]ソーシャルブックマーク




