ロックバンド、エレファントカシマシ(エレカシ)のボーカル、宮本浩次(46)が突発性難聴と診断され、エレカシはライブ活動を無期限休止することが1日、分かった。関係者によると、宮本の左耳は聴力がほとんど失われた状態に陥るなど一時的に悪化したという。手術を経て、日常生活に支障はない範囲まで回復したが、長時間の歌唱は難しいと判断。予定していた公演はすべてキャンセルする。

 ボーカル、宮本の突然の病気で、エレカシはライブ活動無期限休止という苦渋の決断を下した。

 予定していたライブは、今月8日の大阪城野外音楽堂公演、同14日の日比谷野外大音楽堂公演、来年1月の日本武道館公演。全3公演を中止する。ギリギリまで宮本の体調をみていたが、長時間の歌唱ができるまでの回復に至らなかったという。すでにチケットを発売している今月開催予定の野外2公演については、払い戻しが行われる。

 関係者によると、宮本が左耳に違和感を感じたのは先月1日深夜。左耳が聞こえづらいことから、病院で診断を受け、急性感音難聴と診断された。治療を開始したが、左耳がほぼ聞こえなくなる状態まで病状が急激に悪化。すぐに入院し、同5日に手術を受けたという。

 日常生活に支障はないものの、時々めまいがするなど、体調は現在も不安定な様子。左耳については手術後、数値は改善されたが、宮本は「相当聞こえづらい」と話しているという。

 今後の仕事は、すべて宮本の体調次第になる。今月31日には、野村萬斎主演の時代劇映画「のぼうの城」(犬童一心、樋口真嗣監督、来月2日公開)の主題歌「ズレてる方がいい」を発売する。当面、長時間の歌唱を伴うライブはできないものの、新曲のPR活動は体調をみながら、無理のない範囲で行っていく予定という。

 日比谷野音公演は90年から20年以上にわたって、毎年開催してきたエレカシの恒例行事だった。関係者によると、宮本はライフワークを含めた3公演の中止に、相当悔しがっているといい、「どこかでファンの人たちにあいさつしたい」と話しているという。

 来年はデビュー25周年。新春の日本武道館公演で弾みをつけて、記念イヤーを盛り上げていく予定だった。宮本は自宅療養に努め、エレカシとしてのステージ復帰を目指していく。