今年の春節(旧正月)は2月16日(金)〜18日(日)。この時期のマカオは、「恭喜發財(ゴンヘイファッチョイ)!」という新年のあいさつが飛び交うなかにランタンが飾られ、伝統的な中国の雰囲気を色濃く薫らせています。一方では、カトリックの行事である「パッソス聖体行列」も行われ、東洋と西洋のお祭りを一度に見られるこの時期。陽光も穏やかな2月のマカオをご紹介します。【取材・構成 芹沢和美】

風変わりなカトリックの重要行事「パッソス聖体行列」

キリスト像を担いだ殉教者たちがマカオを行進する「パッソス聖体行列」

 2月16日に春節を迎え、お祝いムードに湧く2月のマカオ。いたるところに赤いランタンが飾られ、人々は利是(リーシー)と呼ばれるお年玉袋を渡し合う。東洋と西洋の文化が入り交ざるマカオも、このときばかりは中国色一色になるかと思いきや、西洋の行事もしっかりと息づいている。

 この時期、かつての宗主国であるポルトガルの面影を薫らせているのが、マカオの無形文化財にも登録された16世紀から続くカトリックの重要な行事「パッソス聖体行列」だ。毎年、四句節(イースター前の日曜を除く40日間)の最初の土、日曜に行われる。

 紫色の衣装をまとった聖職者たちが、キリスト像を担いで聖オーガスティン教会と大堂(カテドラル)を行き来するという、風変わりなこの行事。そのルーツは、「聖オーガスティン教会にあったキリスト像を大堂に移動した翌日、なぜか元の場所に戻っていた」という不思議な伝説にさかのぼる。土曜日に聖オーガスティン教会から聖体行列が出発。厳かな音楽とともに大堂に向かった一行はそこで一晩じゅう祈りをささげ、翌日曜日に再びキリスト像を担いで聖オーガスティン教会に戻る。聖体行列を見守るのはマカオの市民。信仰の垣根を越えて、地元の人たちに愛されるセレモニーなのだ。今年はくしくも、開催日が2月17、18日となり、中国の伝統行事である旧正月に重なる。

満月の下でランタン眺めるバレンタインデー「情人節」

 ところで、2月の行事というと14日のバレンタインデーが思い浮かぶが、中国のバレンタインデーにあたる「情人節」は、旧暦の1月15日。この日は、新年最初の満月を祝う「元宵節」でもある。満月の下で美しいランタンを眺めるこの日は、恋人同士の出会いの場でもあることから「中国のバレンタインデー」として定着したようだ。今年の情人節は3月2日。この日の主役はお月見だんごの湯圓(トンユェン)だが、西洋のバレンタインデーと同様に、男性が女性に花束をプレゼントする習慣もあるのだそう。

 西洋の文化も、中国の文化も楽しめるマカオ。日本が一番寒くなる2月もホットなイベントがめじろ押しだ。