小池百合子東京都知事(65)が代表を務める「希望の党」は3日、衆院選の第1次公認192人を発表した。候補者調整は難航し、記者会見の時間も二転三転。1次公認の6割近くに達した民進党出身者は、安保法制反対など従来の党の主張から「変節」する内容を含んだ10項目の「政策協定書」への同意をのんで、ようやく戦いの「足場」を得た。一方、小池氏を就任前から支えた都議2人が小池氏の手法に反発し、離党を検討していることが判明。小池氏周辺の「離反」は初めてで、今後、小池氏の求心力低下を招く可能性もある。
「混乱」の末の第1次公認発表だった。当初は2日の予定だったが、小池氏の側近、若狭勝氏の政治塾などから選ばれたグループと民進党出身者のすみ分け、民進出身者の公認の是非などをめぐり、調整が難航。「立憲民主党」立ち上げを受けた、民進党出身者の動向見極めも重なった。この日の会見時間も1時間ずつ開始予定がずれ、始まったのは午後4時だった。
公認者リスト計4枚も、2枚ずつに分割されて配られ、報道陣の「大争奪戦」を誘発。直前まで作業が続いたことをうかがわせた。小池氏は公務で欠席した。
公認192人中、民進党出身者は110人。「調整は難航した。苦渋の思いをし、つらい作業だった」(民進出身の玄葉光一郎元外相)と、いうが、全体の6割に近く、「第2民進党」色が濃いメンバー。民進から希望へ、「看板の掛け替え」になった実態は否めない。
民進出身者は希望の「看板」を得るため、他の公認者と同様、10項目の「政策協定書」に同意を求められた。中には、民進党時代の路線と異なる内容も含まれている。民進党の公認予定者は当初209人。「踏み絵」にサインできず、公認申請を断念したケースもある。
10項目には、公約順守という基本的姿勢だけでなく、「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進める」ことや、現行の安全保障法制の「適切な運用」への同意も求められた。当初の案を修正して受け入れやすくした部分もあるが、民進党としては安倍政権での憲法改正に消極的で、現行の安保法制に反対してきた。
小池氏の持論で、民進党では意見が分かれた「外国人への地方参政権の付与に反対」や、党への資金提供という異例の項目も。希望は今回、供託金(小選挙区、比例重複で600万円)も自前の対応を求め「財力ある人しか公認が出ない」との不満も聞かれる。
民進党路線からの「変節」も含まれた協定書。民進出身の玄葉氏は「私の見解では(民進党は)政権を担うには少し左に寄りすぎた。穏健な保守中道でないと政権交代可能な受け皿になれない」と主張。先に離党した細野豪志氏は「1つの政党でやるには(憲法観などで)距離があった」と述べたが「軌道修正」感は否めない。
希望は、衆院過半数に当たる233超の候補者擁立を目指し、追加公認も予定している。【中山知子】

