元「モーニング娘。」メンバーで立憲民主党から参院選比例代表への出馬を表明した市井紗耶香氏(35)が29日、東京・恵比寿駅前で、初の街頭演説を行った。

市井氏は白のジャケットに黒パンツ姿で登場。出馬理由を「政治の世界に子育ての当事者があまりにも少なすぎるから」とあらためて説明した。「現在、上は12歳、違った、14歳」「4歳の子ども、あっ、4人です」などと言い間違えると、集まった約200人の有権者からは「頑張れ!」のかけ声と拍手が起こった。

今回は「病児保育」「育児手当」の改善を訴えた。病児保育では「母親にとっても子どもにとっても、心身ともに疲労困憊(こんぱい)になっているのが実情」とし、育児手当では「児童手当を頂いて感謝していますが、それだけでは十分ではないと、みなさん実感していると思います」とした。「社会全体で考えて変えていきたいと思っております」と訴えた。

また、今回の出馬について迷ったことも明かした。だが最後は「誰かの声を待つのではなく、自分自身が一歩を踏み出さなければ、子どもたちが大きくなったときに絶対後悔すると思った」と語った。

「自分の子どものみならず、これからの日本の社会を担う子どもたちのために精いっぱい頑張っていきたいと思います」とあくまでも母親目線を訴えた。アイドルとは「全く違った緊張感だった」という初街頭演説は約5分だった。

街頭演説後の取材では「日常の中で思っていることを私自身国会に訴えたい」と語った。今後は「子育てと両立しながら全国を回っていきたい」。また、当選の可能性を聞かれると「有権者の方が考えてくださることなので、私の口からはなんとも言えません」と答えた。

演説には同党から東京都選挙区で立候補する塩村あやか氏(40)、蓮舫議員(51)も参加した。