コロナ禍で外出制限やテレワークの日々を送るなど、苦難の日々が続いています。プロ野球やJリーグなど各種スポーツ、芸能イベントも開催できない状況です。日刊スポーツでは心温まる、ホッとひと息つける「ホッコリ ニッカン」面を新設しました。「日本の色」と題して、鮮やかな写真とともにお届けします。

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織り姫とひこ星の七夕伝説は、天帝により「天の川」を隔てて東西に離れ離れにされた夫婦が、1年のうち1度だけ会うことが許された「牛郎織女」という中国発祥の物語。

夜空を見上げると南北に横切る雲のような光の帯に見える「天の川」は、一年中見ることができる。時期や時間で星空の見え方が変わるが、一般的には4~10月ごろが観測のおすすめ。月の光で見えづらくなるため、新月のタイミングを狙って撮影。天の川が見え始めた午前0時過ぎ、富士山上空には雲が覆う。気温0度の中、諦めかけた同2時過ぎから満天の星が20分ほど望めた。天の川は肉眼で一応見える程度で、1枚の撮影に20秒費やす写真ならではの「天の川」の光景を残すことができ、心洗われるようだった。

撮影場所の精進湖は山梨県富士河口湖町にあり、町内のいたる所から富士山を望むことができる。同町は、駐車場を含め観光施設を封鎖し、観光地として苦渋の決断で5月の連休に観光客の来訪を断った。同町は、「富士山も湖も高原もなくなることはない。収束後に最大限のおもてなしで大歓迎する」とした。

きらっと一瞬光って消えた流星に願いを込めた。終息後には、ダイヤのように輝く星空を大切な人とゆっくり眺めたい。【江口和貴】

<撮影データ>4月24日午前2時23分撮影 キヤノン「EOS-1DX Mark2」 24-70ミリ(焦点距離24ミリ) ISO感度2000 シャッタースピード20秒 絞り4