ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(44)が、新型コロナウイルスの感染拡大で自粛期間が続いて苦境に陥った、ひとり親1万人に現金10万円を配布することを目的に、10日に創設した「前澤友作ひとり親基金」への応募が15日午後11時59分に締め切られた。応募総数は、44万7159件に及んだ。入金は18日から開始する予定。

前澤氏は、13日にツイッターで「現在までに【35万件】の応募をいただいてます。全国のひとり親4人に1人という計算です。抽選にはなりますが、今のところ35人に1人の確率で10万円をお届けできます。力不足で全員にお配りできず申し訳ない」と現状を報告した。その後、14日深夜0時の段階で応募数は40万5631件に増えた。

15日午前、前澤氏は日刊スポーツにコメントを寄せた。

「ただでさえ大変なのに、このコロナでもっと大変で、めげることもあるかもしれませんが、皆さんは子育てや家事や仕事などを両立する中で、ご自分では気づかないくらいのものすごいパワーと根性の持ち主です。皆さんがお金や機会に巡り合った時の爆発力に期待しています。当基金ではそのサポートができればうれしいです」

その上で「締切間近ですが、身近なシングルのママやパパで当基金についてご存じない方がいらしたら、ぜひお伝えいただけるとうれしいです」と、さらなる拡散を呼びかけた。より多くのひとり親に「前澤友作ひとり親基金」のことが周知されるように…との願いがかない、1日でさらに約4万2000件、応募数は伸びた。

前澤氏は、19年に台風15号、19号に見舞われた地元・千葉県を支援するなど、社会貢献活動に注力してきた。そして、次に支援の目を向けたのが、ひとり親だった。総額10億円のプレゼント企画「#前澤お年玉」を展開中の1月4日の段階で、ツイッターでシングルマザーについて言及。「#前澤お年玉関係なく、日本で120万世帯以上といわれるシングルマザーの皆さんの可能性に僕は注目しています。チャンスや時間がないだけで、やるときやってくれる肝っ玉座った母ちゃんパワーは絶大かと。日本の貧困問題、少子化問題にとっても、そんな母ちゃんパワーが活かされる社会にしないと」(コメントは原文のまま)と、ひとり親を支援する意向を示した。

その中、新型コロナウイルスの感染が拡大し、4月7日に政府が緊急事態宣言を発令し、同16日には全国に拡大。学校の臨時休校を含めた外出などの自粛要請が続いたことで、ひとり親は子供の面倒を見なければならず、働くことが出来なくなった。特にシングルマザーは、アルバイトなど非正規雇用につくケースが多く、もともとの収入が少なく、家計に深刻な影響を及ぼしている。

関係者によると、前澤氏は、そうしたひとり親、そしてコロナ禍に苦しむ日本を少しでも救いたいと「前澤友作ひとり親基金」を創設した。10日の発表の際「ひとり親の状況」と題し、データも示した。

<1>日本国内の母子家庭世帯数は123万2000世帯で、うち51%が相対的貧困層

<2>国内の父子家庭世帯数は18万7000世帯

<3>母子家庭世帯の年収は約200万円で平均年収の半分以下

<3>ひとり親の子どもたちの大学進学率は、日本全体の平均の53・7%を大きく下回る23・9%

と紹介。加えて

<4>年間の離婚件数は21万2000件で、うち子供がいて離婚するケースは12万3000件

と、子を持つ親の離婚も少なくないとした。

前澤氏は「前澤友作ひとり親基金」を、ひとり親支援策の第1弾としており、さらなる支援策を打ち出す可能性を示している。