大阪府の吉村洋文知事(44)が22日、府庁で取材に応じ、ネット上で飛び交う「大阪は雨がっぱ」について言及した。

会見で吉村知事は大阪府内の医療物資の状況について資料を示しながら説明。「ネット上などでは『大阪府市は雨がっぱで治療をしている』など、事実と異なるデマがある。医療資源がどうなっているのか、改めて正確にお伝えしたい」と語気を強めた。

医療用マスク、防護服、フェースシールドなどについては「節約しながらという状況はあるが、十分に供給は満たされている」と話し、「臆測や不正確な情報をどんどんネット上に流し、大阪府は医療支援がないなど、不安をあおることは、ぜひ控えていただきたい」と呼び掛けた。5月19日から大阪府のホームページで、大阪府が確保した医療物資の量、医療機関への供給量などの詳細について掲載していると、改めて告知した。

「雨がっぱ」をめぐっては、新型コロナウイルスの感染拡大で医療従事者の防護服が不足しているとして、4月14日に大阪市の松井一郎市長が「使用していない雨がっぱがあれば、ぜひ大阪府・市に連絡してほしい」と提供を呼びかけた。大阪のSOSに全国の個人や企業から支援の輪が広がり、30万着を超える寄付が集まったため、いったん締め切った。

吉村知事は「雨がっぱ」の経緯について「松井市長とともに雨がっぱの提供を呼びかけ、多くの寄付が集まった。その状況でネット上で医療機関の方がどうか分からないけど、『雨がっぱしかないのか』など、いろいろな情報がある。大阪府、市政を批判したいという思いの人もいるでしょう。政策は批判していただいてもいい。事実と違うことをどんどん流すと、不安につながるだけなので、適切ではない」と苦言を呈した。