任期満了に伴う菅義偉首相の出身地の秋田県知事選は4日投開票の結果、現職の佐竹敬久氏(73=公明推薦)が、元衆院議員の村岡敏英氏(60)との事実上の一騎討ちを制して4選を果たした。共産党県委員の相場未来子氏(50=共産推薦)、美容室経営の山本久博氏(70)は支持に広がりを欠いた。

佐竹氏は4日夜、秋田市内の事務所で「身を粉にして、この大好きな秋田を前に進めるよう全力を尽くす」と強調した。自民党県連が佐竹氏を支持したのに対し、同党を離党したベテラン県議が村岡氏の支援に回り「保守分裂」の様相を帯びた。今年実施される衆院選に向けて分裂した自民党が再び結束できるかどうかが注目される。

佐竹陣営は危機感を持っていた。菅氏の出身地湯沢市の街頭では「(知事選で)山形も千葉も自民が負けた。総理を支えるためにも絶対に勝たねばならぬ」と絶叫した。昨年9月の総裁選では党籍はなかったが菅支持を表明し、同11月には官邸で4選出馬の意思を伝えていた。

対する村岡氏は、父で元官房長官の故兼造氏について「おやじは亡くなる3日前、当時の菅官房長官に『村岡敏英をよろしく』と頼んでいた。(菅氏からは)『俺も見守る』と言ってもらった」と街頭で菅氏との関わりを強調していた。村岡氏は秋田市内の事務所で支援者らに「訴えが県民に伝わらず残念。実力が不足していた」と言葉少なに語った。