大阪府の吉村洋文知事(45)は4日、府庁で取材に応じ、新型コロナウイルスの重症者用の病床確保数でバトルを繰り広げた立憲民主党の枝野幸男代表(57)に「理解のない野党第1党の党首から文句をつけられるとうっとうしい」とバトル再燃を予期し? “先制パンチ”を見舞った。

枝野代表は5月10日の衆院予算委員会で、大阪府は2度目の緊急事態宣言が解除された3月1日、重症者用の病床確保数を3割減らす通知を出したと紹介し、第4波による大阪府の病床逼迫(ひっぱく)について「一番悪いのは大阪府知事」「明らかな判断ミス」「残念ながら無責任な知事もいる」と痛烈に非難した。 この発言に対し吉村知事は、病床には2種類あると指摘。病院にコロナ治療でこれだけの病床を確保してくださいという確保病床と、確保病床を確保した上で、感染者の状況に応じ、病床を減らしていく運用病床があるとし、「確保病床は減らしていない。あたかも確保病床を減らしたかのような指摘ですが、これはまったくの枝野議員の事実誤認です」と強弁した。

府内の新型コロナウイルスの重症者用の最大確保数を現在の224床から340床にすることを計画しているとの一部報道について、吉村知事は「災害医療とみなすぐらいの事態があると想定した目標病床を議論しているところ」と第4波を教訓に大幅増を目指し、「通常医療を制限しないレベルは224床。350床を超えると今の医療界では難しいという声が出るが、『災害医療』というのを前提にお願いするという計画を立てていこうと思っている」とした。

4日の大阪府の新型コロナウイルスの新規感染者数は189人。府内では新規感染者数が減少し、重症病床使用率も低くなってきていることなどから「一部の医療機関では運用病床を減らし、コロナ以外の他の病気も診たいという現場の声が届いているのは事実。どうするかは判断していない。運用病床は動いていくが、確保病床は340を確保したい」と強調した。

さらに枝野代表とのバトル再燃を念頭に「現場の要請に応じて運用病床を減らすとなったら、またどっかの立憲民主党の代表から吉村が病床を減らしたんじゃないかと、一番悪いのは吉村だと言われないようにしないといけませんから」と皮肉たっぷりにピシャリ。「事実誤認」をされないために府内の重症者用の病床数の増減について「オープンにしながら進めていきたい」とし、「理解のない野党第1党の党首に文句をつけられると、うっとうしいですからね」と“戦闘モード”に突入した。