菅義偉首相は17日午前、読売テレビの報道番組「ウェークアップ」に生出演した。各社世論調査で内閣支持率が下落していることについて問われ「理由はいろんなものがあると思うが、謙虚に受け止め、国民と約束したことを実行に移していきたい」と述べた。

菅内閣の支持率をめぐっては、16日に時事通信社が発表した世論調査で、支持率が29・3%と、昨年秋の政権発足後最低になった。加えて初めて3割を切ったことが、政府与党内で衝撃をもって受け止められた。

というのも、永田町では、内閣支持率の3割割れは「危険水域」と呼ばれるためだ。「過去の内閣をみても、支持率が3割を割り込むと退陣へのカウントダウンが始まる。菅内閣はその領域に足を踏み入れたことになる」(自民党関係者)。時事通信の調査では自民党への支持も減少している。

新型コロナウイルス対応や東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開催の是非をめぐり、国民感情に寄り沿おうとしない首相や政権の姿勢には、有権者の厳しい視線が注がれている。西村康稔経済再生担当による「酒類提供停止発言」のドタバタ撤回も、国民の猛烈な批判があったからだ。

今秋には自民党総裁選や衆院選が行われるが、昨年9月の菅政権発足後、今月4日に投開票された東京都議選をはじめ、重要な選挙で自民系の連戦連敗が続く。衆院選で首相が自民党を率いる「選挙の顔」になり得るのか、党内からも厳しい声が出始めている。