ノーベル文学賞が7日、スウェーデンのストックホルムで発表され、有力候補と期待された村上春樹氏(72)は受賞を逃した。英国を拠点に活動し、世界的に権威のある英国の文学賞ブッカー賞を受賞したタンザニアのアブドゥルラザック・グルナ氏が受賞した。

村上氏は06年にノーベル文学賞の指標の1つと言われるチェコの文学賞「フランツ・カフカ賞」を受賞以来16年、受賞の候補に名前を挙げられ続けてきた。今年は6月にエッセー「古くて素敵なクラシック・レコードたち」を出版。7月には、14年の短編小説集「女のいない男たち」に出版された短編3編を元に、濱口竜介監督が長編映画として作り上げた「ドライブ・マイ・カー」がカンヌ映画祭で日本映画初の脚本賞を受賞。1日には、母校早大に国際文学館(村上春樹ライブラリー)が開館するなど、大きな動きが続いたが、受賞はならなかった。