新型コロナウイルス禍やロシアのウクライナ侵攻などを背景とした、原油価格の上昇や原材料高騰などを受け、食品の値上げラッシュが加速している。9月以降には菓子やビール、外食などの値上げが続く見通しだ。

経済ジャーナリストの荻原博子さんに買い物に行く際の節約術3選を聞いた。

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荻原さんが勧める節約法は大きくまとめて3つだ。

対策<1> 不必要なものは買わない。スーパーに行くと目移りしてついつい買っちゃうじゃないですか。食品ロスを防ぐために、買い物に行く前に冷蔵庫を開けて写真を撮るんです。レジの前に来たら、かごから一番いらないものを1つ返す。優先順位を作るんですね。「あってもいいな」は「なくてもいい」と思った方が良いです。

対策<2> メニューを決めてから買い物をする。野菜、肉、魚コーナーとスーパーを回ると、これも目移りする原因になります。総菜売り場を先に行くと、そこでメニューを決められる。親子丼がおいしそうだなと思ったら、総菜売り場で買うのではなくて、親子丼に必要なものだけを買う。ノープランで買い物するよりも消費がスリム化されます。

対策<3> 直売所で買う。ちょっと曲がっているキュウリとかが、格安で売っていたりします。直売所は全国にいっぱいあり、サイトがインターネットにも出ています。また、プライベートブランド(大手スーパーやコンビニが販売している独自のブランド)のしょうゆや油などの製品も安いですね。どこで作っているかを不安に感じるかもしれないですが、中身を作っているのは大手のお店です。大量に発注して大量に販売しているから安いんですね。

さらに、値上げラッシュに対抗する上で、見直しやすいのが電気代だという。

荻原氏 今電気代は去年の3割増しです。電気代を安くするためには契約しているアンペアを下げる。電話1本で簡単にできます。基本料金が電力会社によって違いますけど、60アンペアから40アンペアにすると、1000円くらい下がります。ドライヤーも使い、クーラーも使い、ホットプレートも使い…。使い放題だったのがブレーカーが上がったりして、使いすぎがなくなります。家族で気をつけて使うようになればすごく節約になります。【沢田直人】

<9月以降の主な値上げ>

▼カルビーは9月1日納品文から「ポテトチップス」を5~20%引き上げる

▼チロルチョコは9月5日に「コーヒーヌガー」「ミルク」「ワイト&クッキー」「ザクチロ」を20円から23円に値上げする

▼明治は9月1日出荷分から家庭用のマーガリンなどを値上げ。「明治コーンソフト」は320円から360円となる

▼ネスレ日本は9月1日納品分から、飲料製品やコーヒーメーカーを値上げする。即席コーヒー飲料の「ネスカフェ ゴールドブレンド スティックコーヒー 10P」は226円から272円となる

▼マルハニチロは9月1日納品分から、フィッシュソーセージや、アサリ、ツナ、ホタテなどの缶詰を約5~25%上げる

▼江崎グリコは9月1日から「カフェオーレ」や「100%果汁飲料」を3~12%値上げ

▼ファミリーレストラン「デニーズ」が9月6日からパスタなどを10~80円上げる

▼フタバ食品は10月1日から氷菓「サクレレモン」を120円から130円とする

▼味の素は10月1日納品分から「アジシオ」「ほんだし」などの調味料を約2~12%引き上げる

▼アサヒビール、キリンビール、サントリー、サッポロビールの4社は10月1日から缶ビールを6~10%値上げ

▼回転ずし「スシロー」のすしは10月1日から、10~30円の値上げ。一番手ごろな黄皿(まぐろ、サーモンなど)が110円が120円に