インドネシア東ジャワ州マランのサッカー場で、同国1部「リーガ1」のリーグ戦後に125人が死亡した暴動を受け、11年から20年まで同国6チームでプレーした松永祥兵さん(33)が3日、国内のサッカー事情や国民性を明かした。

「事故というかサポーターが亡くなることは毎シーズン頻繁に起きます。自分がプレーしている時も試合中にペットボトル、食事、ライターなどが投げ込まれることもあった」。サッカーが国技バドミントンを大きく上回る人気で、同国や欧州のリーグ戦が数多く放送されている。観客動員数も1試合平均2万人超のチームがほとんど。5万人規模のスタジアムもあり、欧州主要リーグに劣らない客席の盛り上がりだ。

松永さんはシャルケ(ドイツ)所属経験もあるだけに「お客さんの入りはヨーロッパと変わらないレベル。ただ、観客のマナーがあまり良くないと感じていた。普段はとても温厚で優しいのですが、怒るとスイッチが入って止まらなくなってしまうことがある」と指摘した。

地元メディアは2日、出入り口が閉鎖されていたとの情報を伝えた。警察が客席に向けて発射した催涙ガスを避けようと観客が出入り口に押し寄せ、窒息死や圧死につながった可能性がある。同国サッカー協会は「ファン同士の暴動ではなかった」としてFIFA(国際サッカー連盟)に処分回避を求め、原因究明まではリーグ戦を中断する意向。今回のアレマFC-ペルセバヤ・スラバヤ戦は「東ジャワダービー」と称され、過去にも暴動があった。【鎌田直秀、岡崎悠利】