藤井聡太竜王（王位・叡王・棋王・王将・棋聖＝20）が渡辺明名人（39）に挑戦する、将棋の第81期名人戦7番勝負第5局が1日、長野県高山村「緑霞山宿　藤井荘」で行われた。

5月31日午前9時からの2日制で始まった対局は、後手の藤井が勝って対戦成績4勝1敗で初の名人を獲得するとともに、7冠となった。20歳10カ月での獲得は、1983年（昭58）に谷川浩司現九段（61）が達成した21歳2カ月の最年少記録を40年ぶりに更新した。7冠達成も羽生善治現九段（52）が96年2月に達成した25歳4カ月を上回った。

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◆8冠全制覇への道　将棋界で8つあるタイトルのうち、藤井7冠が獲得していないのは「王座」だけ。現在、16人による挑戦者決定トーナメントでベスト8まで進出し、準々決勝で村田顕弘六段（36）と対戦する。5日に開幕する棋聖戦5番勝負、7月7日に開幕する王位戦7番勝負でどちらも挑戦者の佐々木大地七段（28）を下して防衛したうえ、村田に勝ち、準決勝、決勝も勝てば、永瀬拓矢王座（30）に挑戦できる。王座戦は1日制5番勝負。先に3勝でタイトルを獲得する。例年8月下旬から始まる。早ければ、今年秋にタイトル戦負けなしの「藤井8冠」が誕生する。

叡王がなかった時代の96年2月に7冠全制覇を果たした羽生は90、93年と竜王の防衛に失敗し、95年は谷川浩司王将（当時）に挑戦して3勝4敗で退けられている。