高市早苗首相は10日の衆院予算委員会で、高市政権になって長期金利が上昇していることをめぐり「恐ろしい」と指摘されたのに対し「誇張して、とまでは言いませんが」として反論、これに質問者が「その言い方はないと思いますよ。私はいちゃもんを付けたのではない」として、首相に発言の訂正を求めるやりとりがあった。
高市首相は、立憲民主党の今井雅人議員との質疑で、長期金利の上昇に対する「危機感が足りない」と指摘されたのに対し、「高市内閣の(現在審議中の)補正予算が原因で、ずっとこれから不安定な状況が続いていくとか、委員のおっしゃるように長期金利が上がり続けていくというようなことよりも、しっかりこれから日本が成長いくんだと。どんなリスクより強い国になるんだと。それによって、政府債務残高の対GDP(国内総生産)比が下がっていく健全な姿を見せていくことの方が、大事だと思っている」と、持論を訴えた。
先月26日、立民の野田佳彦代表との党首討論の際、「そんなことより」と述べて、企業・団体献金の話題を議員定数削減法案への協力要請にすり替えようとした時と同じような口調で述べた。
高市首相の主張に対し、今井氏は「私、ちょっとびっくりした。(まさに)『そんなことより』ですよ」と指摘し、「金融市場が混乱することより、成長の方が大事とおっしゃったが、本当ですか? 成長はもちろん大事ですが、金融市場が不安定で金利が上がったりするより、そっちの方が大事だという。そんな感覚ですか? 危ないと思いますよ。さきほどの答弁を聞いて少し背筋が凍りました」と述べ、「よおーく金融市場を見ておいてください」と、クギを刺した。
さらに「高市政権になって、ドル円で言うと10円くらい上がった」と円安傾向であることに触れ、今後、米国では利下げ、日銀は利上げの動きが見込まれるとして「日米の金利差が縮んでいくことが確実になっているのに、円安が進んでいく。恐ろしいです。なぜこんなことが起きているのか」として、「高市政権になってなぜ、10円も円安になっていると思われるか」と高市首相をただした。
これに対し、高市首相は「先ほど、『恐ろしい』と言われた。誇張して、とまでは言いませんが、私の政策だけでそれほどマーケットが大きく反応すると、長期にわたって大きな影響が出るということを発信されることの方が、むしろマーケットに影響を与える気がいたします」と指摘。「ですから、私はあえて為替動向や金利については発言を控えている」と反論した。
一方、「誇張」という表現を使われた今井氏は、「その言い方はないと思いますよ」と不快感を表明。「私は自分でヒアリングをして、いろんな購入者を見て、これはちょっと危険ではないかと思っているから(恐ろしいと)申し上げたら、そんなことはあまり気にしていない、というようなことをおっしゃったから、大丈夫ですかということを申し上げた。いちゃもんを付けたわけでもない」と述べ「今の言い方は訂正していただけないですか」と、高市首相に発言の訂正を求めた。
これに対し、高市首相は「失礼があれば、言い方を変えさせていただききますが」と応じ、「お互いに為替の話や、長期金利の話をギリギリとやっていくと、それもまた、外に向けて発信されていくことになる。そういう心配から申し上げた。お気に障りましたら申し訳ございません」と、自身の説明内容の真意を述べた上で、陳謝した。
今井氏は「私も混乱を招きたいわけではない。そこは誤解なさならいでください」と述べ、矛を収めた。
高市首相は、長期金利上昇について「危機感を持っているか」との質問に対し、「金利についてはさまざまな要因を背景に、市場で決まるもの」とした上で、「私(の政権)になってからということですから、財政政策についておっしゃりたいのだろうが、それを切り出して市場に与える影響を一概に申し上げることは困難。市場の動向について具体的にコメントすることは控えさせていただく」と述べた。危機感については「注意深く見守っている」とだけ答えた。

