NHKで解説委員を務めたジャーナリスト柳沢秀夫氏は8日、テレビ朝日系「大下容子ワイド!スクランブル」(月~金曜午前10時25分)に出演。福井県の杉本達治前知事(63)が女性職員へのセクハラを告発され、昨年12月に辞職した問題をめぐり、同日に県が発表した調査報告書の内容を受けて「今回の問題は、告訴、告発されてしかるべきだと思います」と、前知事の所業を厳しく非難した。
番組では、7日の福井県の会見で杉本前知事のセクハラが認定されたことや、前知事が少なくとも通報者を含む4人の女性職員に送ったとする1000通以上のテキストメッセージの内容などを伝え、女性職員に対するセクハラを裏付ける膨大な数のテキストメッセージについても報じた。
杉本前知事のセクハラは、総務省から同県に出向して総務部長を務めた後、任務を終えた2007年ごろに始まり、約20年にわたり続いたという。職員の身体的な接触被害も3件確認されたといい、報告書は、ストーカー規制法、刑法上の不同意わいせつ罪に抵触する可能性も指摘した。
前知事は報告書の発表を受け、「被害者の方々の悲痛な思いを伺い、自らの愚かさと卑劣さを痛感している」「到底言い逃れできるものではない、低俗かつ愚劣なものであり被害者の方々の尊厳を傷つけたと深く反省しております」などとするコメントを発表している。
一方で、被害者側の訴えが当初、きちんと受け止められなかった環境も問題視されている。MCの大下容子アナウンサーが「通報する相手が上にいけばいくほど、(セクハラは)明るみに出にくくなる。調査する人も部下になってしまう面もあるから」と指摘すると、柳沢氏は「似たようなケースはほかにもあったと思います。再発防止に向けた提言もあるが、こういう事案が起きた時、その外側に通報窓口を置いて(被害者が)人事的報復を受けないような仕組みをつくっていくことが必要」と訴えた。
「今回、(前知事は)旧自治省からの出向で、福井県との関係ができた。中央から来た人に対する、地元自治体からするとなかなかものが言いにくい、日本ならではの構造があるような気がする」とした上で、「それであればこそ、問題があった時に客観的に対処する第三者的機関を(組織の)外に置いておくことは、こういう問題を防ぎ、起きた時にどう対処するかを考える上で、いちばん大切な部分なのではないか」とも訴えた。

