ラーグルフの戸崎騎手は4コーナーのさばきが見事だった。後ろからアラタが迫ってくると、かぶされる前に動いてレッドランメルトの外へ。内から外に切り替えてきたクリノプレミアムには、フタをするように押さえ込んで、ライバルの進路を消した。

少しでもレッドとの間にスペースができれば、内から張られていただろう。仕掛けるタイミングとしては少し早いが、あそこで前へ出たことが後続の有力馬にダメージを与え、鼻差の勝利に結び付いた。戸崎騎手は「背腰が良くなって、スッと反応できるようになった」と、馬の充実ぶりを感じていたから、勝負どころで強気に出ていけた。

もし、直線に向くまで我慢していたら、外のアラタにまくられた可能性もあるし、内のクリノに狭いスペースをこじ開けられていたかもしれない。上位1~5着馬の上がり3ハロンは35秒2~4(逃げて3着のフェーングロッテンは35秒9)。それほど大差がなかったのを見ても、道中の位置取り、仕掛けのタイミング、コース選択が勝敗を分けたといっていい。

1着から9着ラーゴムまでが0秒3差という大接戦を制したラーグルフは明け4歳馬。8キロ増の数字が示すように、ようやく本格化の兆しを見せてきた。この1年でどれだけ飛躍できるか。さらなる成長を楽しみにしたい。

中山金杯を制したラーグルフと戸崎騎手
中山金杯を制したラーグルフと戸崎騎手