カタールのアルライヤン競馬場で騎乗した笹川翼騎手(29)。15日の初戦は見せ場もあったが、騎乗停止の制裁も受けた。「切り替えていきます」と向かった2戦目は8RのサラブレッドサンドCS(ダート1700メートル)。すっかり日も暮れた同日の最終レースにはローカルロー(せん6、父ドバウィ)で臨んだ。

最内枠からスタートを決めると「馬なりであの位置」と中団の内ラチ沿いを追走。「勝ち馬のいたところを取りたかったですけど、内々を来られたのがよかった。集中してくれた」と3着まで脚を伸ばした。負担重量は58キロの定量。レーティングは全馬に大きな差はなかったもののメンバー最下位。迎えた関係者の笑顔からも、これはどうやら健闘とみてよさそう。笹川騎手にも笑顔が戻った。

道中で1馬身半ほど前を走っていた勝ち馬の鞍上はT・マーカンド騎手。2人は後検量で何かを話していた。聞けば内を開けていたマーカンド騎手が最終コーナーで内に進路を取り、前に入ったことをあやまってきたという。名手がそろうと競馬がタイト。自分も進路がなくなり内を選択したマーカンド騎手だったが、その後の笹川騎手とのやりとりに人柄が表れていた。【牛山基康】

15日、レース後にH・アルジュハニ調教師(左)と話す笹川翼騎手(右)と通訳の川島光司マネジャー
15日、レース後にH・アルジュハニ調教師(左)と話す笹川翼騎手(右)と通訳の川島光司マネジャー
15日、後検量でT・マーカンド騎手(左)と話す笹川翼騎手(右)
15日、後検量でT・マーカンド騎手(左)と話す笹川翼騎手(右)